学校で、世界史上、最初に地球を一周したのって、マゼランって習いませんでした?
これって実は二重に間違っているんです。
どーも、あそーくです。今回はちょっと足を伸ばしてタイではなくマレーシアのマラッカの話です。
マゼランの世界周航
もう超有名な話ですよね? 「スペインの艦隊を率いて世界一周した」って記憶してたんです。
マゼランの世界一周って、変換でも一発で出てくるほど馴染みの言葉ですが、アダム・スミスの「神の見えざる手」と同じで
アダム:「”神の”なんて書いた覚えないんだけど…」
とアダムが言うわけもありませんが、
フェルディナンド※:「オレ、世界一周してないんだけど…」
と気まずい感じになるかどうかも知りません。※フェルディナンド・マゼランがフルネームです
しかも彼、実はポルトガル人だった…. マジか…(スペイン艦隊なのは確か)
歴史的事実だけを言うと、マゼランはセブ島近くの島で、そこの王様にキリスト教改宗と服従を要求するという、当時の南蛮人の中では特に逝っちゃてるというわけでもない考えから、しなくて良い戦争をして殺されました。
有名な割には情けない最期です。
で、実際に世界一周を達成したのは彼の18人の部下たちで、フツーは誰も知らない。知られちゃいけない… のか?
なんか結構な快挙だとは思うんですけどね。世界一周、しかも一応人類史上初ですよね?
部下の業績を全部上司に取られてしまったみたいな?
で、今回は世界初の地球一周はこの18人でもなく別の人間なんじゃないかっていう話です。
マラッカ海洋博物館
このマラッカ海洋博物館は、キャラック船“Flor de la Mar”の復元船の中にあります。というかこの復元船そのものが博物館です。

航海不能の復元船
キャラック(ポルトガル語ではnau)と書きましたが、この博物館の案内にはガレオンと書かれており、かつ名前も”Flora de la Mar”となっています。

証拠写真
うーん。博物館の説明が誤植でしょうね。
博物館ですよ。いいんですかね? テキトー過ぎません? マレーシア人がそれでOKなら仕方ないですけど、いろいろと誤解が誤解を生んで….
なんかこの誤植の方の名前が独り歩きしている状況でもあります!
すいません。船の名前とか船の種類とかフツー興味ないですよね…熱くなりすぎました。反省しております。
「!」復元船は違う名前なのか? なわきゃないですね。
それはいいとして、この船はマラッカを占領した時に活躍したものなんです。
このマラッカを占領したのがアルブケルケっていうポルトガル海洋帝国の立役者の一人です。
ちなみに彼はこの時シャム(今のタイ)の王様にイスラム教徒を追放することを条件に協力を要請しています。
そんなマラッカ占領の象徴でもある復元船なんです。マレー人の懐の深さと言うかなんというか…
厚木にマッカーサーの乗ってたバターン号が博物館になっている感じ(そんなものはない)? 想像できませんねぇ。
で、長々とひっぱってきましたが、本題です。
ではいったい誰が初めて世界一周を達成したのか?
マラッカのエンリケ
はい、エンリケ航海王子ではありません。
彼はマゼランの召使い(奴隷?)で、正確な故郷はわかりません。
マラッカとかスマトラとか言われてます。
で、マゼランが死んだので、晴れて自由の身となって歴史上からは退場します。
海洋民族マレー人の世界で退場したので、故郷に帰っていったに違いない! だから彼こそが人類史上初の世界一周を達成した人物だ!
という話です。
まぁ仮に彼が故郷に帰ったとしても、当の本人には世界一周とかどうでも良くて、「帰れた!」ってことのほうが断然重要だったんでしょうけどね。
で、そのマラッカのエンリケについての展示されているのが、前述のマラッカ海洋博物館なのです。
世界史的に重要な船をどーんと目立つように設置して、中には「実は世界一周したのはマレー人で…」ていう。なるほど、そういうことでしたか。
マラッカと日本
このマラッカは、フランシスコ・ザビエルがここから布教をしに日本へ旅立ちました。
マラッカでザビエル像といえば、セント・ポール教会跡が有名ですが、セント・フランシス・ザビエル教会の庭にもザビエル像があります。
この教会の像の横には鹿児島出身のヤジロウの像も一緒に立っていますので、興味のあるかたは訪ねてみてはどうでしょうか?
「ヤジロウって誰?」って
ヤジロウ(弥次郎、1511年(永正8年)頃? – 1550年(天文19年)頃?)は、史料上確かな最初の日本人キリスト教徒と目される人物。
引用:Wikipedia
となっていますが、「弥次郎」って字は正確なのかどうかは、僕は確認してません。

手前が「やじろう」
まぁ15世紀ころって、東南アジアに日本人はゴロゴロいたみたいです。今と同じです(笑)。
ちなみにこの教会は今でもフツーに教会として使われていますが、クリスチャンでなくても入れます。
マラッカというところは、観光する場所がだいたい徒歩圏内に集中していて、観光で町おこししようとしてるだけあってかなりオススメです。
川(運河?)沿いには遊歩道もあって雰囲気もありまし、週末はバザールがとかもあって夜の散歩にも飽きがきません。
マラッカまで行くのは、若干交通の便に「難あり」ですが、大航海時代とか、そのへんに興味がある人は無理してでも行く価値はあります。
おわり