目的は山田です。
といっても太郎のほうじゃありません。勿論、養蜂場でもありません。
タイで山田と言えば長政しかありません。
今回はアユタヤの日本人町に行ったときの話です。
涙なしには語れないストーリーです。(汗の間違い)
では、どうぞ。
アユタヤへ
バンコクからアユタヤへは鉄道で行くのが激安なんですが、自宅からファランポーン駅(バンコク中央駅)まで行く交通費の方が高くなってしまうという、なんだかなーという価格設定です。
という、自分でも良くわからない理由でアヌサワリー(戦勝記念塔)からミニバスで行くことにしました。
アユタヤの観光等はまた後ほどアップしたいと思いますが、今回の目的は日本人町です。
ちなみにバスで行く方は、車内は上着を持ってないと、確実に風邪を引く温度設定がなされてますのでご注意を!
いざ、日本人町へ
アユタヤ到着。
今回は「そうだ アユタヤ、行こう。」という軽いノリで来たので、何も下調べはしてません。
日本人町なのか? 日本人村なのか? も定かではありませんwww
まぁ運河沿いにはなんか宿あるだろー的な感じで、2・3軒まわり、泊まる場所を確保して、いざ日本人町へ!
当然日本人町ってどこだ? どうやって行く? ってなりますよね?
ふらふら歩いていたら貸し自転車屋発見! 自転車なら地図さえあればどこだっていけるだろうと思い、即決します。
値段は1日で50Bだったか100Bだったか、バイクの半額だった記憶はあるんですが、最近物忘れが激しくてやばいです。
お店のお姉さんは、「ちょっと遠いけど…」と地図を見せながら、説明してくれます。
「こっちの方へ行けば○○があって~、○○にも行けるし」久しぶりの聞き取りやすい英語で、日本人町以外のところをやたらと勧めてきます。
日本人町に行って先人たちの思いをくんでくるのが今回の目的だし、日本人としての義務だ! と熱い衝動に突き動かされてわざわざココまで来た僕に他の場所など目に入るわけありません。
諦めたお姉さんは僕に地図を渡し、「良い旅を!」と送り出してくれます。颯爽と自転車にまたがり、いざ出発しようとすると…
「コッチっ!」
とお姉さんは川の方を指差します。ツーリング(ママチャリ)を楽しもうと思った僕に対して、「船で対岸に渡れ!」と仰るじゃあございませんか。
出鼻をくじかれた僕でしたが、目的はツーリングじゃなく日本人町! と気を取り直して乗船します。
重い自転車を船に載せ、対岸に着いた僕の目に最初に入ってきたのは貸し自転車屋…
「!!!」
まぁ今日の目的は日本人町。今のは見なかったことにします。
早速、サドルにまたがり自転車(ママチャリ)を漕ぎ出します。
空は快晴! 気温も急上昇中! みるみるうちにに体力は奪われていきます
(今日は早めに帰って、宿でゆっくりしよう)
と考えながら自転車を漕いでいますが、どうやら少し遠いところにあるようです。
自転車は何の変哲もないただの街中を走ります。観光地らしさのかけらもない道です。
「確か日本人の傭兵を警戒して王宮より離れたところに日本人町作ったんだよなぁ、多少遠くても仕方ないか」などと古い知識を頼りに自分を納得させます。
しかし、本当に暑い日で、念のために買っておいたペットボトル(1.5ℓくらい)の水も直ぐになくなりそうです。
普通の街中をママチャリで走っているだけです。そんなには楽しくありません。
途中、なんか音楽祭の告知のようなポスターがでかでかと貼ってあり、タイ人のオジサンが4人ほどにっこり微笑みかけています。
「誰だよ! 知らねーよ!」
と一人寂しく毒を吐きながら、それでも自転車を漕がなければなりません。もはや苦行です。
と、大きなパゴダ(仏塔)が見えてきました。
「おおー、まさにアユタヤ!」
と感動で少し元気を回復しました。が、日本人町はまだ先のようです。
気づくと回りの景色は木だらけになってきました。長野の山道を走ってるようです。そんないいもんじゃありませんが…
廃材置き場があったりと、もう完全に
「オレはここで何をやってるんだ!」
という感覚におちいってます。
何度も道を間違えたかと思いました。地図的にはとっくに到着しててもおかしくないのです。
「!!」
僕はそのとき気づいてしまったんです。
中心部だけ詳しくて、周辺部の縮尺は随分テキトーな例の観光地用の地図であることに!
もうこの道が正しいかどうかはわかりません。周囲はとても日本人町があるような雰囲気ではありません。
そう心が折れかかった時に見えたのが【日本人町はこっち→】という看板!
自分の進むべき道に確信を持った僕は、最後の力を振り絞って自転車を漕ぎます。
いつの間にかペットボトルの水はお湯に入れ替わってます。
それでも、建物らしきものは見当たりません。
「お姉さんが渋っててのはこういうことか…」と妙に納得しながら走っていますが、精神的には限界です。
少し向こうに建物が見えました。
「あの建物が目的の場所じゃなかったら引き返そう」とついに勇気ある撤退を決断をしました。
幸い、そこは夢にまで見た日本人町!
アユタヤ日本人町
なんだかやる気のない受付で入場料を払い、入場します。
入場料は50バーツ。
入って直ぐのところに博物館(別館1)があります。場所に似合わず近代的な博物館です。
敷地内には日本庭園とあづまやのような休憩所があり、かつ郊外! なので、とても静かです。
別館1の方では、でビデオを見たり、展示物を見たりしますが、客は僕一人です。
空調も効いてて疲れた身体を癒してくれます。
しばらくして、親子連れが一組やってきましたが、それ以外の客はいません。
離れたところにも別棟の博物館があります。別館2ですね。(本館は現地で渡された地図上にも発見できずwww)
日本人町は運河沿いにあり、運河のすぐ近くまで降りてみます。
川の少し先には町の中心部が見え、微かに吹いている風も心地よく、景色も最高です…
「?!」
(直線距離だとこんなに近いのかぁぁぁぁぁああ!!)
と愕然とする瞬間でした。
まぁ船はないので他の選択肢はないんですが…
パンフレットによると
日本人町は島の外のチャオプラヤー川の東南側にあった。向かい側にはポルトガル人町があり、多くの外国人が渡来し、交易が盛んだった。国王はポルトガル人、オランダ人、イギリス人等の外国人にも居留地を与えた。日本人村の敷地はチャオプラヤー川沿いに約1キロメートルあった。ー 引用:日本人町ガイドより
とあります。どっちかというと日本人町があるところは町外れな感は拭えませんが…
まぁ大変でしたが来てよかったです。
帰路を思いつつ売店のオバちゃんとのひと時
一通り廻ってから売店が見えたので、水分補給をすることにします。
「これください」
と冷蔵庫に入っている一番冷えてそうな炭酸飲料を選びます。
店の奥からオバちゃんが出てきて応対してくれます。
オバちゃん:「これは買わないのか?」
と謎の土産物をススメます。
「要らない」
「そう」
「….」
なんだ?! その取りあえず言ってみました的な感じは?
座ってのどの渇きを癒し、(これ飲んだら帰ろう)と思っていると、オバちゃんが店から出てきます。
「暑いですね」と会話の取っ掛かりを探っていた僕に対して
「どっから来た?」
「日本ですけど」
「そう」
とだけ言って店の奥に戻っていきます。
な、なんなんだ! またもや取りあえず聞いてみただけな感じは! だいたい日本人以外そうはこないって! なんか質問しなきゃいけないルールでもあるのか?
そのまま木陰で座っていると、日本人のツアー客らしき人たちが3、4人ミニバスでやってきました。
それをボーっと見ながら、「あぁ、この店絶対つぶれるなぁ…」
そして、ミニバスの奥にある僕の自転車が目に入り、憂鬱な気分になった真夏のある日の僕でした。
参考 紹介ページ(泰日協会サイト内)日本人町(英語)おわり