馬子にも衣装と豚に真珠
いいものを与えた時でも、一方は価値が増加し、もう一つは全然意味がないという意味で、結果は逆のことわざです。
どっちがいいってことは無いんですが、タイ人と日本人では、同じ状況でも対応の仕方がぜんぜん違うということを感じることが結構あります。
どーもあそーくです。
今回はそんなことわざの話です。
Contents
ช้าๆ ได้พร้าสองเล่มงาม
急がずば、2本の見事なナタを得る
発音:cha-cháa dâi phráa sɔ̌ɔŋ lêm ŋaam
- ช้าๆ:ゆっくりと、(スピードが)遅く
- ได้:得る、もらう
- พร้า:刀、大刀、サイズの大きい刃物
- เล่ม:(類別詞)~丁(刃物)
- งาม:美しい、キレイな
というのがあります。
直訳すると
「ゆっくりね! そうしたら二本のナタが美しくできるよ!」
となります。ナタは鉈で、木を切り倒したりするときの大きな刃物のことです。たぶん日本語でいうところのナタでいいと思いますが、木こりの人いたら教えて下さい(笑)。
意味はというと、「難しい仕事をするときには、時間をかけてゆっくりしなければならない」くらいの感じです。
ナタは鉄製品です。なので、まだ鉄が十分熱せられないうちにナタを作り始めようとすると、上手く出来なかったり、いびつな形になったり、壊れたりします。
ここから
「あわてて計画してはいけませんよ」
「準備はしっかりとでないと失敗するよ!」
「あわてず我慢すればいい結果がえられるよ!」
みたいな意味合いが生まれてきたんですね。
日本語にも鉄製品を使ったことわざに
「鉄は熱いうちに打て!」
なんてのがありますが、これはどっちかというと、「急ぎなさい!」というニュアンスです。
しかも既に鉄が十分熱せられた状態になってから、その後の行動に関することわざです。
真逆ですね。
同じ鉄製品に着目したことわざでも、まったく違う局面を重要視して、しかもニュアンスは逆なんで、こういうところは面白いです。
しかも、「鉄は熱いうちに打て」の方は、どっちかというと、厳しく叱って教育! 的なスパルタちっくな匂いがぷんぷんしてきます。
それに対してタイ語のことわざの方がどういうシチュエーションで使われるのかと言うと、
「大変ですぐ結果がでないことに取り組んでる人に対して、励ます言葉」
なんです。
日本語にあることわざだと
「慌てる乞食はもらいが少ない….?」
…なんかあんまり励まされてる感がない。
なぜ二本?
ここで、わたくしこと、あそーくは疑問を持ちます。
「なるほどね。で、なぜ二本?」
いいナタを作りたいってことを伝えたいだけですよね? 別に二本て情報いらなくない? ってなりますよね。
こーいったことは日本でも詳しい人と、そうでない人にハッキリ分かれるので、その辺のタイ人に聞いても的を得ない答えしか帰ってきません。
なので「パンティップ」という日本でいうところの5ch(旧2ch)を覗いてみることにしました。
外国人の書き込みは出来ないので(書き込みに国民カードのIDが必要)、もっぱらROM専です。
以下、パンティップ内でのタイ人のやりとり
A:「ゆっくりね! そうしたら二本のナタが美しくできるよってことわざあるけど、なんで二本なん?」
B:「だよねー、そもそも二本って入れないほうが意味がわかりやすいんですけど..」
C:「えー!! 二本っていれるの? オレそんなの聞いたことない!」
D:「昔は二本って入れてたけど、今はあんまり入れてないかも」
E:「学校の先生に行事の準備さぼってたら、急げ!じゃないと醜いナタが出来上がるって言われた」
以下、オレは入れる入れないの議論が続き、なんで二本か? の話はどっかへ行ってしまう…
入れないパターンもあるようですが…というか最近は入れない傾向みたいというのはなんとなくわかりましたが…
お前ら脱線しすぎだーーー!!
結局何もわからなかったパンティップのやりとり(苦笑)
取り敢えず「ช้าๆ ได้พร้าเล่มงาม」とも言うらしいです。
仕方がないので、ちょっと古めのフォーラム見つけて中をみてみました。
某フォーラムでのやりとり
甲:「なんかの物語がもとネタじゃない?」
乙:「オレ、ちょっと調べてみたけど、見つからなかった」
(多分探してない)
丙:「森に入るのに予備でもう一本持っていったんじゃない?」
で、喧々諤々議論した末、はっきりしたことはわからず、このフォーラムでは丙氏の意見が採用されてました(笑)。
「急がずば、2本の見事なナタを得る」ということわざで、なぜ二本かというと、森に入る時、ナタ二本持っていったから(ーあるタイ人の個人的見解)
ガッハッハ
結論出てね-! というか答えになってねー!
それ作るときの話じゃないんですけど…(絶句)
この後もいろいろ調べてみたりしましたが、結局どれも前述と同じで、「二本って入れるの?」みたいな話になっていき、答えは謎のまま残されたのであります。
「オレの時間を返せ-!」
と叫びたい気持ちをグッとこらえて
「まぁタイだから…」と思うことで心の平穏を保つことにしました。
いろいろ調べましたが、そもそも情報少なすぎ!
わかったこと:タイ人って本当にこういうことに興味ない!
というわけで結局わかりませんでした。タイ人でもわかりません。
ましてやタイ語学習中の人だとわかるはずもありません。
要するに、こんな感じなので、だいたい意味が通じればタイ人的にはOKということだけでも分かっていただければと思います(笑)。
タイ語学習は大変なので
「急がずば、2本の見事なナタを得る」
ですよ。
おわり