バンコクには路線バスが縦横無尽に走っています。
そんな路線バスがどのルートを通っているかはバンコクっ子でも自分の利用するルート以外はよく分かっていないと思います。
どーもあそーくです。
このバンコクの路線バスには無料バス以外は必ず車掌が同乗していて、切符をきったり、暇な時は、仕事そっちのけで話しかけてきたりします(笑)。
BTSやMRTなどの電車とは違い、料金も格安で、庶民の足になっています。たまに無料バスも走ってるくらいです。
今回はそんな路線バスの車掌さんのお話です。
それではどうぞ
バンコクの路線バスの車掌さんのお仕事
バンコクの路線バスの車掌さんは一般的な車掌さんと同じく、乗ってきたお客さんに行き先を聞いて、チケットを切って料金を徴収するのと、運転手とのおしゃべり(笑)が主な仕事です。
というか、これだけなんですが、場所によっては一度にたくさんの人が乗ってきて、その乗客だけをめがけて料金を徴収しに行かなければなりません。
驚異的な記憶力がないと出来ませんよね? 初めて見る顔や服装と、それまで乗っていた乗客を瞬時に見分けないと
「もうお金払ったぞ! 何回料金徴収するつもりだよ!」
なんてトラブルにもなりかねません。
長年バンコクの路線バスに乗ってますが、今だに間違えて重複して料金徴収をしようとしたのを見たことがありません。
仕事の契約内容には含まれてないのかも知れませんが、バスが通りにくいところをすり抜ける時なんかに運転手のサポートをしたりもします。
そんな時は
「よーし任せとけ!」
てな感じで、いつも以上に張り切る彼らを見ることが出来ます(笑)。
「オレがいないと困るだろう?」
と運転手に対して自分の存在理由をアピールするチャンスです。
他にも外国人旅行者でバスの乗り方や降りる場所がよくわからない場合とかも、いろいろと教えてくれます。タイ語ですが…
料金払う時に目的地を車掌さんにしっかり伝えとくのが、バンコク路線バス乗車時のコツです。

目的地に着いたら教えてくれますよ! 忘れることも多いですが(笑)
このように仕事は単純ですけど、誰にでも出来るものじゃないです。
こんな大変な業務をこなしているバスの車掌さんはいったい毎月いくらくらいもらっているのでしょうか?
以前バス内の広告で見たのですが、月15,000バーツでした。そんな高給取りではないですよね? だいたい日本円で五万ちょいくらいですね。
タイ人のホスピタリティ
外国人旅行者にアドバイスしたりするのは、路線バスの車掌と言うよりもタイ人のホスピタリティから来るものです。
一般的にタイ人は日本人に負けず劣らずシャイですが、「仕事上の役割」をもらった途端、その親切心は爆発します。
誰に気兼ねするでもなく親切をふりまいても不自然ではないからです。
といっても彼らや彼女らの全員がタイ語以外の言語に堪能なわけではありません。
基本的にタイ語でまくしたててきますので、カンの悪い旅行者では彼ら・彼女らのホスピタリティを体感することは出来ません。
それに加えて、「こりゃダメだ!」と思ったら、アドバイスするのを意外とあっさり諦めてしまいます。
決してムリはしません。タイ人です。
とは言っても、路線に寄っては英語が出来る車掌さんが乗ってることも多いです。
日本語で話しかけられたこともありました。しかも全然普通に会話ができるレベルです。
日本の浜松で働いていたことがあったとか延々話します。
どんなとこで働いていたかはあえて聞きません(笑)。
それよりもこっちは、彼女の仕事の邪魔をしてるんじゃないかと内心冷々しているんですよ!
出来るだけ話を膨らませないように簡潔に答えますが、彼女は次から次へと話を振ってきます。
完全に井戸端会議のつもりです。
そのルートに日本人が乗ることが珍しいからなのかどうか知りませんが、バス停に着いて新たな乗客が乗ってきても、仕事をすませたら再び僕のところに来て話の続きをします。
そうなんです。ちゃんと仕事のことは忘れてないんです(笑)。さすがです。
自分の仕事を忘れてはないんですが、日本人的にはどーみてもおしゃべりのついでに仕事をしているとしか思いません。
やることやってるなら、タイでは問題ないんですね。
「日本で仕事中にスマホやケータイいじっているのは絶対ダメ!」
とか言うと多くのタイ人は驚きます。
「え? なんで?」
てなもんです。驚かないのは日本についてちょっと詳しいタイ人くらいです。
というか、アジア諸国のみなさんは一様に驚きます。
どっちかっていうと日本の方が特殊なんじゃないか? という錯覚に陥ってしまうので、タイに長居すると日本で社会復帰が難しくなるのもわかる気がします。
夏の暑い日なんかは、車内にクーラーボックスを持ち込んで、喉が乾くたびに冷えたジュースをそこから取り出して飲んでみたり、車内で昼食を食べていたりします。
とにかく自由です!
それでも仕事はきっちりこなします。
極めつけは
車内でお昼寝をしていたりもします。隣で同僚が仕事(運転)しているのもお構いなしです。
当然業務(料金徴収)は放棄してます。バス停に着いて新たに乗客が乗ってきても反応などできません。
気持ちよさそうに寝ています。
僕は料金を払ってないので、起こして払うべきかどうか悩みましたが、運転手の方も彼をそのままにしています。
せっかく気持ちよく寝ているのを、たかだか10バーツ足らずのお金で邪魔するのは忍びません。
泣く泣く無賃乗車をすることになってしまいました。
その車掌君は、終点のバス停に着いても夢の中にいて、気持ちよさそうな顔をしておりました。
これも不労所得と言うんでしょうか?(笑)
こんな感じで自由を謳歌しているタイの車掌さんは、同時にホスピタリティに満ち溢れてます。
路線バスのルートを把握するのは容易ではありませんが、バンコクに来たら一度はバスに乗って、車掌さんのホスピタリティを体験するのもいいかと思います。
おわり