チュラロンコーン大学のタイ語検定試験を受けてきた!詳細に解説します

タイ語の検定試験はイロイロあります。

実用タイ語検定試験(日本語)、タイ語能力判定試験(旧ボーホック)、そして今回紹介するのが、外国語としてのタイ語学習者のためのタイ語聴解・読解・作文能力試験(長っ!)です。

日本でも受験できるようですが、12月のみの年一回しか実施されていません。

今回、本場(笑)バンコクのチュラロンコーン大学で受験してきたので、その様子や、バンコクで受験する場合を紹介します。

試験の概要

バンコクでは「外国語としてのタイ語学習者のためのタイ語聴解・読解・作文能力試験」(以下チュラ大タイ語試験)は毎週木曜日と金曜日に実施されています。

ちなみに英文略称は CU-TFL となっています。

実施科目はリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4科目です。

受験料はスピーキングが1500バーツでほかは各500バーツで、1科目から受験できます。

試験の申込み方

公式サイトでは2週間以上前から、メールまたは電話での予約となりますが、僕の場合、電話で予約したとき

「なるべく早い日程がいいんですが…」

とムリを言ったら、6日後の木曜日に予約できました。

時間の都合がつかない場合は電話で問合せたほうが融通きくでしょう…(そこはタイランドです)

ココからがちょっと変則的なんですが、日程を予約してから公式サイト上の登録フォームで申し込みします。

この時写真も必要です。

この申込みの登録が完了すると、銀行振込(クルンタイ銀行ー水色の銀行)の用紙がプリントアウト出来るようになります。

そんで、その紙をもって銀行に振り込みに行きます。

日本からも申し込みが出来ると思うんですが…たぶん。

まだ終わりませんよ!

振り込んだ証拠写真(用紙の)を添付してメールで送ったら終了です。

その後、大学側から振込確認のメールと共に時間割と持ってくるものなどの注意事項が送られてきます。

後は試験まで勉強するなり、ドキドキ緊張するなり勝手にして下さい。

試験当日

試験当日です。メールに書いてあった注意事項として、09:45までに会場に着くこと! 時間厳守です。

ちょっと遅刻したけど(汗)

時間割は以下の通りです

時間 科目
10:00~11:00 リスニング
11:00~12:00 リーディング
12:00~13:00 お昼休み
13:00~14:00 ライティング
14:00~15:00 スピーキング

試験会場に着いても、どこで受験するなんてわかりません。

取り敢えず事務所みたいな所に

「試験を受けに来たんですけど-」

と訴えます。(すでに遅刻確定)

と試験担当者(女性)やってきて、ソファに座るよう優しく言われます。

すでに遅刻しているので逆に怖いです。

杞憂でした。

いろいろと試験の説明を受けて、この時検定料の領収証をもらいました。

あとは荷物を専用のロッカーに入たりして、筆記用具とパスポートと腕時計のみを持って試験室に向かいます。

試験内容

試験会場はちょっとした会議室。

ここで判明したこと、受験者一名。(カンニングはできない)

教室(会議室)を見回すと、監視カメラが….

カンニングしませんって! てか出来ません(泣)。

諦めて、まずはカンニングリスニング。

担当の女性はノートパソコンを操作して、音の大きさを確認します。その後、試験の流れを説明してくれます。

この後担当の女性は退室します。つまりは部屋には一人きり…

監視カメラで監視されてます…

「ん? なんかこんな場面映画で見たような…」

と細かいことは気にしてる間もなく試験は始まります。

リスニング

担当の女性が退出する前に問題と解答用紙を渡されます。

名前を書きます。

リスニングの音声をスタートさせ

「始めてください」

の合図とともに担当者は退出です。

僕に危険な香りを感じたからではありません。

設問は全部で50問ほど。

簡単な会話文から、段々と難易度の高いスピーチみたいなものへと変わっていきます。

設問は2度読んでくれますが、本文は一度きりです。

時間になると担当者が入室し、解答用紙を回収して終了です。

内容はいわゆる教科書的なものでなく、大人が日常使っているタイ語のようでした。

リスニングの音声は、特に抑揚もなく淡々と話してる感じです。

リーディング

リスニングのテスト終了後すぐにリーディングの問題用紙を渡されます。

まずは名前を記入しなければなりません。

休憩は許されません。タイムラグはゼロです。

件の担当の女性は

「始めて下さい」

の言葉を残し、僕の元から去っていきます。

リーディングも全部で50問ほどです。長文問題も何問が出題されます。

検定試験なので、全問正解する必要はありませんが、それでも時間との勝負のなので、ゆっくり考えてるヒマはありません。

後半にいくほど難易度も上がり長文です。気をつけて下さい!

アナタに与えられた時間は一時間しかありませんよ!

昼休み

チュラ大食堂

食事はチュラ大の中の食堂で出来ます。食券とかカード形式ではなく、いつもニコニコ現金払いです。

大学生ばかりですけど気にせず食事して下さい。そこは観光客を装えばOKです。若さに気後れする必要はありません(笑)。

休みは一時間だけなので、人気店は列を作って並んでいるので避けるべきでしょう。

時間も時間なので席はほぼ満席なので注意が必要です。

意外と頭が疲れているので甘いものは必須です。その点バンコクで甘いものに困ることはないので助かります。

思ったより一時間は早く過ぎます。

ライティング

後半スタート1時間目はライティングです。

テーマを与えられてそれについて自分の考えを書くというスタイルです。

僕のときは「現代の若者が忍耐力が欠けていることについて」みたいなものでした。

対策としては書けるパターンを使って、知ってる単語だけで文を組み立てるのがいいかと。

そのために文のパターンと単語量を増やすことがポイントだと思います。

本試験では文の構成用の用紙も配られるので、文の構成を作るトレーニングをするのも有効でしょう。

意外とスペルが思い出せなくて焦ったので、単語のスペルは正確に覚えておきましょう(自戒の念もこめて)!

スピーキング

最後は1500バーツのスピーキングのテストです。

日本の会場では実施しておりませんので今回の目玉です。

ライティングの解答用紙を回収した後、一旦教室を出ます。

教室の外のソファに座りながら、スピーキングテストの手順の説明を受けます。

この間に教室はスピーキング用にセッティングされます。

それから再び試験室へ案内されます。

今度は試験官は二人!

にこやかに迎えられます。

最初は試験官一人と軽く会話です。軽く様子見ですね。油断させといて査定は始まっているパターンですよ! おそらく。

その和やかな雰囲気につつまれた流れで、五枚のカードを渡されます。(ホントは一枚)

どのゲームを選ぶかは運次第…ではありませんでした。

渡されたカードの中(一枚)に書かれてあるものから気に入ったテーマを1つ選び、そのテーマについて五分間のスピーキングです。

スピーキングだけ受験する人もいるので、英語版もあります。

話す前に少しだけのシンキングタイムがあります。

試験官は

「目の前のたくさんの聴衆に聞かせるように話してください」

と無茶振りです。

僕は「外国で勉強することのメリット」みたいなのを選びました。

自分の考えを皆の前で発表するって方式ですが、二人でしょ? なんかいろいろとキツイ…演技力も必要なのか?(汗)

五分間の発表のあと、再び5つの選択肢を選ぶ時間です。カードは一枚です(笑)。

今度はこの中のテーマに沿って試験官にインタビューしなければいけません。

新米記者の僕のインタビューが終わったら、それを要約して話すのです。

タイでは記者からキャスターまで幅広くこなさなくてはならないようです。

内容は「タイ国内の交通事故について」みたいなのを選びました。

果して、この微妙なテーマを選んだことは吉と出るか? 凶とでるか?

参考までに以下インタビューの実況風(あ:あそーく/し:試験官)

あ:「交通事故に遭ったことある?」(普通ねーよ)

し「免許を持ってないからねー」

あ:「…」(そう来たか)

し:「母ちゃんの車に乗ってるときに一回あるかな?」(助け舟)

あ:「怪我とか?」

し:「問題なし!」

あ:「まじで? 示談的なのは?」

し:「まーね」

あ:「タイ人ってだいたいそんな感じ?」

し:「人による」(だろーね)

あ:「キレる人は?」

し:「人による」

以下、試験官があきたのか、質問→「人による」の会話が延々と続く…

最後無理やり話をまとめて終了。

実際はもっと丁寧な会話ですので勘違いしないようにして下さい。あくまで脚色です。

ちなみに試験問題の持ち帰りはできません。

検定試験の結果

後日試験の結果が送られてきました。

プラス100バーツ払ってもらった証明書です。

成績証明書

結果は秘密♪

この証明書が要らない場合はメールで結果を知らせてくれるそうですが、せっかく受験したので100バーツ払いました。

英文とタイ語の2種類が送られてきます。なぜか英文の方が2通あって、全部で3通です。

リスニングの点数が良かったのは意外でしたが、まぁこんなもんでしょう。

正直、4時間に渡るテストなので、脳がクタクタに疲れます。

時間がある人は各分野を分けて受験するのもありだと思います。

日本から受験する人はスピーキングのみの受験にして、残りは日本で12月に受験というのもアリかもしれません。

受験レベルとしてはタイ語の中級が終了したくらいじゃないと正確な判定は出来ないのかも。って感想です。

もちろん基本的に問題文はタイ語なので、タイ文字がわからない人は受験が難しいです(除くスピーキング)。

詳しいレベル別の評価基準は公式サイトに載っています。

一応CEFRを基準に評価しているみたいですが、そもそもCEFRが本来ヨーロパ言語の判定基準なので、参考程度でいいと思います。

参考 公式サイトシリントンタイ語研究所

おわり