【タイ語のことわざ】踊り子さんも愚痴を言う。でもええ加減にしとけヨ

なんか失敗してしまった時って、ついつい何かのせいにしたくなる時ってありませんか?

今回はそんな「他人のせいにする」ことを戒めるタイ語のことわざの紹介です。

どーもあそーくです。

僕も子供の頃、柱とかに足をぶつけると、柱に向かって怒りをぶつけているような痛い子供でしたw

大人になると、子供のように「なんでも他人のせい」ってことは出来なくなってきます。

タイでも同じだと思うので、これは子供に言い聞かせるためのことわざでしょう。

それではどうぞ

รำไม่ดีโทษปี่โทษกลอง

踊りが上手くいかなくて、笛や太鼓を責める

発音:ram mâi dii thôot pìi thôot klɔɔŋ)

単語
  • รำ:踊り/踊る
  • โทษ:責める
  • ปี่:笛(タイ独特なもの)
  • กลอง:太鼓(上に同じ)
ことわざの意味としては、「踊りがうまく踊れないのを、笛のせいにしたり、太鼓のせいにしたりする」というものです。

出来が悪かったり、間違えてしまったときにそれを認めるどころか、他人がミスしたからと責任を転嫁したり、自分の置かれている状況や境遇に対して文句を言うことで、自分は悪くないとすることです。

要するに、他人あるいは周りのせいにしちゃダメよ! という意味です。

ダンサーが経験が浅い場合、他の人の前で踊るときにはミスしてしまうことは普通によくあることです。

また失敗した時は勿論、上手くいったとしても観客からはブーイングがあがることもあります。

こういった時には、誰かを責めることが出来ないっていうのが普通の大人の対応ってやつです。

にもかかわらず、笛や太鼓を演奏する人がリズムを間違えたからと言いがかりをつけるのです。

笛や太鼓の人はたまったもんじゃありません。

「いやいや、ちょっ待って! それって…」

と反論したいところでしょうが、そこをグッと我慢している図を想像するのはそう難しいことではありません。

ここで、反論して

「アイツの方が悪い!」

「いや、オマエもあそこでミスった! あれからおかしくなった」

なんてことになり、終いには楽団っていうのかどうか知りませんが、踊りのチームが

「わたしたち解散します!」

なんて宣言を近い将来にすることになるでしょう(笑)。

それが音楽的方向性が違うのか、独りでどこまで出来るか試してみたかったからかは知りませんが、最悪の事態を引き起こすという結果には変わりありません。

なので、こんな時、オトナは我慢するもんなんです。

子供の場合

通常のオトナなら問題の所在は分かっています。

その上で問題が引き起こされたのを、誰か・何かのせいにして楽になったって、状況が改善することはないのを知っているからです。

でも子供はそうは行きませんよね?

出来なかったことの理由を説明するために、いろいろと考えた末にそういうことを言ったのか、単に保身のためにそういったのか判断が難しいところです。

ただ、ある程度オトナなら説明するためなのか、保身のためかは自分でも分かってるハズですし、周りも分かっています。

そもそも、そんなことをわからない人はオトナとは呼べません。

赤ん坊の頃は泣けば誰かが助けてくれます。それがだんだん成長するにつれ、自分でなんとかしなければならなくなります。

責任もそれに伴って増えていくわけです。周りが正当な自己主張以外は受け付けなくなるからです。

そんな子供からオトナへの階段を登りかけている青少年に贈ることわざがこれなんです。

なのでオトナな皆様は余り使う機会はないかも知れません。

まー、実社会は弱肉強食で、共生するものではないというのが実態であるという考えもあるので、不利にならないための手段も必要です。

ただし度を越すと総スカンくらいます。

言い訳が正当かどうかが判断基準です。

対象が人出ない場合の使い方

また、対象がはっきりしている場合だけではなく、「状況が自分をそうさせた」みたいな時にも使えます。

「社会が悪いから、お金を盗むしかなかった」

みたいな場合です。

目先の欲望に負けて、遊ぶ金欲しさに銀行強盗を働いてしまったような人に「踊りが上手くいかなくて、笛や太鼓を責める」ような言い訳をするな! と一喝することが出来ます。

また、冒頭の「ここに柱があるから足をぶつけた」と主張する若かりしころの僕みたいな子供に対しても使えますww

柱なかったら家は傾きますからね。

タイ人は言い訳する??

体感で申し訳ないですが、タイ人が遅刻以外で(笑)言い訳をするのを余り見たことがありません。

遅刻に関しても、誰かのせいにするのではなく、渋滞という誰も責められないようなことに関してのみ責任を転嫁するだけです。

誰かのせいにして人に恨まれるのを回避したいという本能なのかもしれませんが、とにかく他人に攻撃の矛先を向けるということは余りしないように思います。

というか、ほとんど全てのことなんてどーでもいいと達観してるのかもしれませんがw

さすが仏教国です。

一方日本人も余り言い訳をしません。「言葉より行動で示せ!」の文化です。(最近はどうかわかりません)

これが行き過ぎて、多少の理不尽なことがあっても我慢してしまいます。

という感じでタイ人と日本人はどちらもあまり言い訳をしません。(たぶん)

タイ人が他人に矛先を向けることは「บาป」(悪事・罪)で、せっかくしたタンブンが台無しになってしまうからというのに対し、日本人は「言い訳するのは男らしくない」みたいな感じです。

こんな両者も一度限界を超えると大変なことになります。

もちろん理不尽な理由の場合ですが、日本の場合は我慢に我慢を重ねた末、自らの命を…ってなことになります。

一方のタイでは、その原因を作ったものに対して「ズドン」と一発です。

怖いですね-!

という訳で、正当な理由があればキチンと説明をした方がいいと思います。

それは決して「踊りが上手くいかなくて、笛や太鼓を責める」ことではないですから!

おわり

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