バンコクの繁華街にあるラチャプラソン交差点は、サイアムとチットロムのちょうど中間点あたりにあり、そこにエラワン廟があります。
タイ語だと「ศาลท้าวมหาพรหม โรงแรมเอราวัณ sǎan tháaw mahǎa prom rooŋ rɛɛm eeraawan」です。
日本語に訳すと「エラワンホテルの御大創造神廟」とでも言うんでしょうか?(笑)
タイに行ったことのない人でもテレビなどで一度は目にしたこともあるような超有名観光スポットです。
ちなみにお寺ではありません。どちらかというと神社です。
今回はあまりにベタですが、このエラワン廟の紹介をしてみたいと思います。
エラワン廟の建設のとき
エラワン廟にはブラフマー神が祀られています。
ブラフマー神とは日本では「梵天」という名前でおなじみの創造神です。
しかし、「エラワン」というのはインドラ神に仕えている象の名前です。
通常4本の牙と7つの鼻がある白い象として描写されています。
ではなぜエラワン廟にはインドラ神もしくはエラワンでなく、ブラフマー神が祀られているのでしょうか?
エラワン廟は元々はエラワンホテルの一部として建てられたものです。
このエラワンホテルは国賓を迎えるために建設が計画されたものでした。
しかし工事の初期の段階には多くの事故がありました。
費用が超過したことや、建設労働者の怪我や建築素材としてイタリアから調達した大理石が途中で船が沈み喪失してしまったなどです。
これは間違った日、時間に礎石を築いてしまったために引き起こされたものだと考えられたのです。
そこで設置されたのがエラワン廟です。
実はエラワン廟のあるラチャプラソン交差点は犯罪者を晒す場所でもあったので、あまり良くないカルマが土地にあるとも考えられていたようです。
こういった悪いことが続いたので、悪いカルマに対抗するため占星術師が廟を立てるように勧めて建設されたのがそもそもの始まりです。
ちなみにこの占星術師は海軍の軍人さんです。(笑)
この廟は本来、エラワンホテルのための廟でした。
ホテルの名前はすでに「エラワン」で決まってしまっていたために、この悪いカルマを解消するためには、ブラフマー神の祝福をもって廟を祀ることによりホテルの繁栄につながるとの解釈をしたのです。
このあたりは専門家でないのでなんでインドラ神の乗り物であるエラワンに、ブラフマー神が出てくるのかはよくわかりませんが、そういうことらしいです。
本尊のブラフマー像は1956年の11月9日に文部省下の美術局のデザインによって建造されたものです。
こういった日付がカルマとかそういったものには重要なんですね。
その後、ホテルの建設は滞りなく進められ、完成に至ったということです。
エラワン廟の二度の危機
最初にエラワン廟が破壊されたのは2006年3月21日になったばかりの深夜1時ころのことです。
一人の頭のおかしい男によってブラフマー像は破壊されました。
この男はすぐに周りの人によって殺害されてしまったために、事件の真相はハッキリとはしてませんが、イスラム教徒だったと言われています。
二代目のブラフマー像が安置されたのは2006年5月21日の太陽が南中した時間とのことです。
ここでも占星術が深く関わっています。
二度目はまだ記憶に新しい2015年8月17日に爆弾テロによって破壊されました。
日本人で被害にあった方もいたので、ニュースにも大きく取り上げられた事件でした。
僕はちょうどこの2日前にバンコクを離れていたので当時の現地の様子はわからないのですが、大変な衝撃だったのは想像できます。
ブラフマー像は少し傷ついただけでしが、修復に9日、費用として7万バーツかかったそうです。
ご利益と御参りの仕方
せっかくバンコクまで来て、エラワン廟まで来たのならお参りしない手はありません。
ただタイでの神廟とかの御参りの仕方ってどうすればいいのか? は普通はわからないと思いますので説明します。
まず、御参りの仕方はどこの神廟でも線香9本とろうそく2本が基本なのでこの方法でもよいのですが、今回はエラワン廟のみで行われている独特な方法を紹介します。
まず、ブラフマー神は4方向に顔があり、それぞれにご利益が異なるので、必要な方向だけにお祈りするのがもっとも簡素な方法です。(ご利益に関しては下で説明しています)
そこで、この地区が発行している冊子によりますと…
まず、線香4本、ろうそく2本、プアンマーライ1つを用意します。

精神を集中してこれらを捧げます。
ここでは今の悪い運勢の流れが止まるように目を閉じて祈ります。神様とつながるように、新しい道が開く様にといった感じで心を届けるのです。
それから時計回りに一周してもとに戻ります。
といった流れになります。
中には全面することによって祈りは完成するから、その方がオススメ! といっているタイ人もいますが…
本来、御参りには土・水・風・火の四元素が必要なんだそうです。
そこで土の象徴として蓮の花(プアンマーライ)、水は清潔な水(ペットボトル等に入ったもの)、風が線香、火がろうそくといったものを捧げるんだそうです。
で、このエラワン廟に祀られているブラフマー神の4つの面が担当していることは
- 学業・仕事に関すること
- お金や土地などの財産に関すること
- 健康や家族に関すること
- 成功・幸運などに関すること
なんだそうです。どの方向がどの事に関する面なのかは現地で聞いてくださいね。
で、各々の面によっても捧げるものは異なるそうで、それぞれ…
学業・仕事の面なら線香16本、ろうそく9本、花9本、水1本。
お金や土地などの財産の面なら線香36本、ろうそく9本、花9本、水1本。
健康や家族の面なら線香39本、ろうそく9本、花9本、水1本。
成功・幸運の面なら線香19本、ろうそく9本、花9本、水1本。
こういった感じで捧げるそうです。全部の面を正式にお願いするとなると線香だけでも…
110本!
まー線香以外は同じ数なのですが、110本ねぇ…
というわけなので、一般的な旅行者なら簡易的なものでもいいと思います。
ここまで本格的にする人はタイ人でもそうはいないと思いますが…
そんなこんなでエラワン廟の紹介でした。
おわり