タイの国旗は赤と青と白の三色の旗ですが、この国旗以前はどういった旗を使っていたか知ってますか?
この三色の旗が使用される前は象が描かれた旗でした。
今回は、さら~に逆上って、タイの最初の旗について紹介します。
それではどうぞ
現在のタイの国旗とその意味
日本の国旗を「日章旗」というような感じで、タイの国旗は「ธงไตรรงค์」(thoŋ trai roŋ – トントライロン)と呼ばれてます。
意味は三色旗です。世界は三色旗だらけです(笑)。
「ธง(thoŋ)」が旗の意味で、「ไตร(trai)」が三、「รงค์(roŋ)」には色という意味があります。
それぞれの色には意味があって、赤が国民、白が宗教(仏教)そして青がこの国旗を制定した時の王様であるラーマ6世の誕生色です。

タイの三色旗はヨーロッパその他の三色旗と違い、三色が横に、しかも三色使われているという意味の三色旗です。
うーん、三色しか使われていないから三色旗という意味なら、世界には、そんな国のほうが多い気もしますが、まぁそれはそれとして…
白象の旗じゃあマズイでしょ?
現行の三色旗を使う前は赤地に白象が描かれたものだったというのは、タイに少し詳しい人なら知っていると思います。
この以前使われていた赤地に白象に青を足しただけという気がしません?
なので、現在の国旗の色の意味合いは後付だという感は拭えませんが…
で、赤地に白象の旗が正式なタイの国旗として、ラーマ2世時代に制定されたんですが、いちいち旗の真ん中に象を書き込むのは面倒ですね。
それに旗を上下逆につけるというハプニングがしょっちゅうあったという話ですが、ミスを冒してしまった人のその後が気になります。
というわけで現行の旗に変更と相成ったわけですが…ということは、やっぱりミスをしてしまった人の末路は…!!
いずれにせよ正式に国旗として制定されたのは、白象の旗が最初でした。。
タイで最初の国旗とされた旗
正式に国旗が制定されたとしても、それ以前に自国の船かどうかを遠目で判断する必要性はあったはずです。
法律で制定されたのは赤地に白象の旗ですが、その前にも国旗はありました。
船は大昔から存在してましたし、海戦も当然あります。
ラーマ1世当時、王様の船で使うシャムの国王旗と一般国民の船で使うシャムの旗の二種類があったと言われています。
まだタイがシャムだった時代です。
一般の船で掲げる旗は他の国との識別する時に使っただけのものなので、シャムの国王旗の方がいわゆる国旗に相当します。
シャムの国王旗は、赤い色をベースに白いチャクラムが描かれています。
チャクラム:チャクラム(チャクラ)は、古代インドで用いられた投擲武器の一種。日本では戦輪、飛輪や、円月輪とも呼ばれ忍者が使用した。ー引用:Wikipedia
このチャクラムは、ヴィシュヌ神(タイではプラナラーイと呼ばれる)の持つ武器に由来します。
ヴィシュヌ神は王様に姿を変えて、仏教における「苦」あるいは「苦痛・不幸」を断ち切るものと考えられています。
オーンガーンチェーンナームというアユタヤ時代に作られた韻文詩によると、ヴィシュヌ神は4本の手にはすべて違ったものを持っているとされています。
それら4つのモノとは、チャクラム、ほら貝、杖、トラニーとなっていますが、トラニーってなんでしょう?
「ธรณี」(thɔɔranii :トラニー)は通常は土地とか大地とかという意味ですが、石の塊とか、蓮の花かを土地の代わりのものとして象徴させています。
で、ヴィシュヌ神の下の方にある左手には石とか蓮の花を持たしてます。
まぁ「ヴィシュヌ神に土地を持たせて!」って注文を受けた神像製作者が
「??? 土地っすか?」
となったのは想像に難くありません。
というわけで、ヴィシュヌ神の化身であるところの王様を意味するチャクラム入りの旗は一般の人は使えませんね。
もっともっと古い国旗の話
で、旗のベースとして使われている赤い色は何か意味でもあるのでしょうか?
話はアユタヤ王朝ナーラーイ王の時代にさかのぼります。
フランスの貿易船がシャムにやってきました。
当時は自国の旗を挙げて、礼砲を打って歓迎するのが西洋の海上のルールでした。
礼砲を打って歓迎するということは何故だか知っていたシャムでしたが、旗を掲げるということは知りませんでした。
「誰だ? テキトーな報告書を書いたシャム人は?(笑)」
とは思いますが、どーやら旗は挙げる必要がありそうです。
そこで
オランダの国旗を挙げてしまいました!(wwwwwwww)
しかし、フランス船からは待てど暮らせど、礼砲一発の返事すらありません。
というのも当時フランスとオランダは敵対関係あったからです。
「やべーフランスを怒らせた…」
アセるシャムの外交チームです。
きっと旗のせいだと確信したのかどうかはわかりませんが、オランダ旗じゃヤベーかも、何かあるに違いない! と別の旗を挙げることにしました。
この時掲げたのが赤い旗でした。テキトーにチョイスしたのは間違いないでしょう(笑)
おかげでフランス船から礼砲一発! 無事、貿易を再開することが出来ましたとさ。
この話がタイの国旗のホントのホントの事始めです。
(ところでオランダ旗はどこで手に入れた?)
という疑問は残りますが…
これ以後から、アユタヤ王朝時代のシャムは戦争に行く軍隊を編成する際に赤い布を使ったということから下地は赤色になったとうことです。
その後、時代はチャックリ-王朝に変わります。
そしてチャクラム入りの旗、白象の旗、そして現行の三色旗へと変遷していきました。
どうでしたか? タイ(シャム)の本当の最初の旗はただの赤い布でした。
やっぱり色に特別な意味はなかったということですね!
おわり