タイでは仏像や神像にお供え物を備える時に花飾りを供物として備えたり、お祭りの時に女性が花飾りをして着飾っていたりと、花飾りをよく見かけます。
この花飾りはプアンマーライ(พวงมาลัย – phuaŋ maalai)とか、単にマーライ(มาลัย – maalai)というもので、タイ式の花飾りです。
Maalaiとレイ(reiーハワイのれいのやつ)ってなんか似てなくない?
まぁそれはいいとして、奉納するときの供物や、幸運を願うものとして使われています。
どっちかっつーと、僕は花よりも、それで着飾っている女性の方に興味があるので(笑)、今回は協力者であるもーちっと(仮)さんのレポートとともにお送りしたいと思います。
プアンマーライとは
このプアンマーライは前述したとおり単なる花飾りとは違い、いろいろな意味を含んでいるものです。
なので、その成り立ちとか使い方とかから紹介します。
起源
始まりは定かではありません(笑)。
起源と言った舌の根も乾かないうちで申し訳ありませんが、わからないものはわからないんです。
ただ、ラーマ5世の時代にはすでにあったようでした。本当です。
スコータイ王朝の儀式や行事について記述のある、「12ヶ月の王の儀式」という書物があります。
年中行事を記したものです。
その中の第4の月(4番目の月?)の儀式で、王の主妾が生花をつかって作ったと記してあります。
その後ラタナコーシン王朝の時代にはプアンマーライはさまざまな儀式で使われる重要なものになっていきます。
当時、王宮内の女子はみなプアンマーライを上手に作ることが求められました。
使用用途
プアンマーライは用途に応じてだいたい3種類に分けられます。
1.マーライチャイディアウ(มาลัยชายเดียว)
通常尊敬の念をあらわすために使われます。お寺などではお坊さんの像の手にかけられています。
発音は(maalai chaai diaw)です。
2.マーライソンチャーイ(มาลัยสองชาย)
通常首にかけるタイプ。タイ式の結婚式では新郎新婦が身につけます
発音は(maalai sɔ̌ɔŋ chaai)です。
3. マーライチャムルゥワイ(มาลัยชำร่วย)
サイズの小さいタイプ、かわいく、小さくて可憐(笑)。
発音は(maalai cham rûai)です。
この三種類以外に竹で織ったタイプもあるんだそうです。
これはイサーン地方の一部の地域で生花を使ったプアンマーライの代わりに使われたり、雨季のお祭りで使われたりします。
これら3つの分類方法以外にも、花の刺し方・デザインや完成したときのカタチで分類したりと、細かく分ければキリないです。
以下使用方法を少し挙げると
- 首にかける:結婚式で新郎新婦が首にかけたり(ゲストを歓迎する)、コンテストで優勝した人をたたえる時
- 献上する:王族の方の訪問の際に献上する時
- 結婚式のロットナム(งานรดน้ำสังข์ – ŋaan rót náam sǎŋ):新郎新婦の手に水をかける結婚式の儀式の時
- パーティに来てくれた人たちにお礼としてわたす
- お寺に参拝するとき
- 演奏中タイの楽器にかける
- 先生に感謝する時にわたす
- タイ舞踊 のなかで使われる
- 供養やお供えに使う
- 髪を結う
- 飾りつけに使う
- 尊敬の念をあらわす
- 結婚式などの飾りつけに使う
- お葬式で使う
- 銅像に飾る
- 大学の卒業証書授与式に壇上をかざる
となっております。
「だぶってんじゃねーかよ!」
と言われるかと思いますが、それぞれにそれはそれは細かーく用途・仕様スタイルが異なっておりますので、ご容赦下さい。
ま、こんなに長々と列挙されても
「興味なんてないんだからっ!」
って人がほとんどでしょ?(自分含む)
プアンマーライ制作のワークショップ
で、今回は三番目のマーライチャムルゥワイの制作に挑戦したもーちっと(仮)様のレポートです。
場所
今回プアンマーライの制作を行った場所は、パーククローン市場内のワークショップです。
この市場は花メインの市場で、チャオプラヤー川沿いに面していて、船着き場の直ぐ側なので、交通の便は最高です。
(追記)現在ではMRTでも行けます。สนามไชย (サナームチャイ)駅で下車して、4番出口から100mくらいです。
個人的にはあんまり興味ないですが(笑)、本当に船をおりてすぐなので行ってみたい人は行けばいいんじゃないですかー(棒)
それではもーちっと(仮)さんどうぞお願いします。
もーちっと(仮)の突撃レポート
最近この生花バージョンでなく、造花で作ったプアンマーライを広める活動をしている方もいるそうです。
でもプアンマーライは生花! というわけで、プアンマーライのワークショップに行って実際作ってみました。
パーククローン市場内の狭い階段を上っていった2階のテラスにワークショップ会場があります。
ローゼルティ(甘い)とタイのお菓子で歓迎♥(女子かっ? 女子だっ!)
基本的にワークショップでは英語で通訳してくれます。
若い男性が先生(ラッキー♥)
市場で親の代からお店を経営しているんだそうです。まー御曹司ですか?
はじめに市場見学ツアーで市場全体を案内してくれます。
その間にテーブルの上にバナナの葉っぱがあって、その上に花がどっさりと用意してあります。今回使う花です。
一応書いておくと
- ジャスミン
- ドークラック(ดอกรัก)日本では見かけません
- ラン
- ミニバラ
- デイジー
使う道具は30センチ位の巨大な縫い針です。糸の代わりに荷造り紐(ビニール)を使います。
先生に簡単な説明を受けた後、簡単な首飾りを一つ作ります。
これはそう難しくないのでみなさん上手く作ってました。
そのあとに今回の目標マーライチャムルゥワイの制作に入ります。
わっかになる部分、足になる部分など、まず各パーツを作ります。
各パーツを一つにして完成させます。
…が、
「力を入れすぎると花がちぎれる」
「蘭の花も何個か崩壊させる…」
「紐が結べない…」
「お金がたまらない…」(これは違う)
と何度も失敗してキレイな花を次々とゴミへと変えていきます。
山積みにしてあるテーブルの上の花が、みるみるうちに片付いて行きます。
先生はあっという間に一個完成させたので
「結構かんたんかも♪」
と思っていたワタシが馬鹿でした。ごめんなさい(_ _;)
各パーツを合体させる最後の難関も無事クリア(ちょーーーっとだけ先生のヘルプあり)!
テーブルの上の花が無くなる前に一個完成させることが出来ました。
それがこちら

もーちっと作
巨大扇風機かつほぼ屋外のロケーションなので、風で花びらが吹き飛んだり、花の種類によっては針を刺しにくいものもありましたが、最後は夢中になってやってました。
先生の説明が終わったあとは、誰もおしゃべりしてないくらい集中したひとときでした。気づいたら息してなかったくらいです。(怖っ!)
たくさん花をダメにしてしまったけれど、先生は終始微笑んでいた。(と思う…)
先生の作品(本当の完成形)

先生作(片手間)
プアンマーライ売りになるにはまだまだ修行が必要のようです(泣)。
もーちっと(仮)さんお疲れ様でした。
先生の域に到達するにはもーちっとがんばりましょー(お約束)。
今後もご協力おねがいします。
参考 ワークショップの公式サイトTHE MARKET EXPERIENCE他に料理教室とかもあるみたいです。
おわり