【タイ語のことわざ】逃げ足が速いっていうのも才能のひとつと言えます

難しい言葉を使ったり、専門的過ぎる言葉を使って、「なんとなくすごーい話をしてる」風に装ってる人っていますよね?

こういう人ってちょっと苦手なんですよね。

なんか(すごいね!)的なオーラを出しながら聞かなきゃいけないような気がするし、知ってることでも「知らない」顔して聞かなきゃいけないプレッシャーがあります。

このタイプの人は「人に何かを伝える」という当初の目的をすっかり忘れてしまって自分の世界に入っていますね。

余り邪魔はしたくないので「近づかない」のが賢明です。(笑)

こういう人は残念ですが、相手の状況をよく観察していて、わかりやすく、的確で易しい言葉でスパーッと説明されると惚れ惚れするものです。

どーもあそーくです。

そんな分かりやすい説明が出来ればいいな-っ! と常日頃思ってはいるのですが、自分の理解が足りてないのか、説明が下手なのかわかりませんが、いつも悪戦苦闘しています。

今回紹介するタイのことわざは、そんな僕とは正反対のホントの意味で賢い人を表現したものです。

それではどうぞ

คมในฝัก

鞘の中の刃

発音:khom nai fàk

単語
  • คม:刃物の刃の部分、金属の鋭い部分
  • ใน:~の中の、~の中で
  • ฝัก:鞘[さや](植物やナイフなど)

このことわざの意味は、知識や能力といった才能を内に秘めたまま、然るべき時がきたらその才能を表に出すというような状況を指した表現です。

刃とは傷つけることの出来るもので、このことわざの中では、包丁や剣など非常に鋭利な刃物を特に指しています。

問題を一刀両断できる能力のコトを、比喩的に表現しているものです。

鞘に関しては、その形は中に収められている刃物と同じ形をしていて、革や木、真鍮などの素材で出来ているのが一般的です。

刃が鞘に収められた状態では、その刃がどれくらい鋭利なのかはわかりません。

あるいは錆びていることだって考えられます。

このように鞘の中の刃の状態は分かりませんが、一旦抜けばたちまちどんな刃なのかは分かります。

その刀を抜いた時、というのが然るべき時という訳です。

一体どんな才能が眠っているのでしょうか?

どんな時使う?

このことわざを使うシチュエーションは、基本的に相手を褒める場合だけです。

本当は聡明だったり、能力に満ち溢れているのに、それらを他人に見せないような人に対して使います。

日本語の「能ある鷹は爪を隠す」です。

日本語の場合は「敢えて隠す」という意味合いもありますが、タイ語の場合だと本人以外の人がその人を評価する場合に使われるようです。

なので自分で「鞘の中の刃」とは冗談ぽくいったりする場合以外では使いません。もしくはホントに残念な人だったらww使っているのを聞くかもしれませんが、基本的に他人が褒めるものです。

「敢えて隠す」という戒めの意味合いは入ってません。

「鞘の中の刃」の様な人は、適切な時期やアドバイスすべき時が来ると、その能力をいかんなく発揮します。

我々凡人は、その人の真価をその時になって初めて理解します。

彼の人の真価を刃物に例えて、その聡明さを称えるのです。

鞘を抜いたらガッカリ!

という残念な場合には使いません。

具体的使用例

ゴーガイ新聞社で働いているプロイさんの主な業務は、出勤してから退社するまでの間、爪の手入れです。

朝出勤したら、爪をキレイに削り、磨いて、マニュキュアを塗るのに、まる一日かけます。

そんなプロイさんに文句を言う人は誰もいません。彼女が社長の愛人だからです。

ただ、最近社長とはちょっとギクシャクして上手くいっていないようです。

会社での彼女の肩書は「社会部の記者」ということになっていますが、記事を書いている姿を見たことのある人はいません。

上司も特に文句をいうわけでもありません。

そんなある日、彼女が取材に行くとのウワサが社内を駆け巡りました。

入社以来初の取材です。

社長と上手くいっていないというウワサもチラホラ出てきたので、会社に居座るためのアピールなのでは? などと様々な憶測が飛び交います。

そんな社内の雰囲気はどこ吹く風、颯爽と取材に出かけるプロイさん!

数時間後、取材から帰ってきた彼女は一心不乱に記事を書き、その出来栄えも中々のものでした。

感心した上司は

「プロイ君、やれば出来るじゃないか!」

プロイ「そうよ、鞘の中の刃ってこと。覚えといて!」

と鼻高々です。

どのあたりが「いざという時」なのか、彼女の意図は不明ですが、プロイさんにとっては会社を追い出されるかどうかの緊急事態です。

同僚は

「人並みに記事書いただけだろ!」

と思っていますが、誰も口を出す人はいません。社長と彼女の関係はまだペンディング状態だからです。

そんな彼女の取材した先は新しく出来たタイの化粧品会社です。

その会社の社長が、最近できたプロイさんの新しい愛人だった、ということは新聞社の社長である旧愛人はもちろん、同僚も知りません。

プロイさんの「鞘の中の刃」は、新しい愛人に乗り換える能力のことのようです。

プロイさんが会社を辞め、ゴーガイ新聞社に平穏の日が来るのもそう遠い話ではないでしょう。

おわり

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