すべての結果が自分の行動が原因となっているという考えを「カルマ」といいいます。
タイは仏教国ですので、こういったカルマ(業)といったような、仏教的観点からでてくる教訓が多いと思います。
どーもあそーくです。
今回紹介することわざはこのカルマを直球ど真ん中で説明したものです。
特に「喩え」とかも使っていないので意味を理解するのは特に難しくはありませんが、宗教的な用語は厄介です。
タイ語は基本的な単語は。他の外国語と大差ないくらいの難易度なんですが、これに宗教的な用語や王室関係の用語とかもあるので大変です。
特に宗教的なことに関しては概念を理解していないと、単語を記憶するのは非常に困難になると思うので、頑張って下さい。
それではどうぞ
ธรรมชนะอธรรม
善は不正に勝つ
発音:tham chaná atham
- ธรรม:善行、功徳、仏法、真理
- ชนะ:勝つ、勝利する
- อธรรม:不公正、不義、非道、邪悪
このことわざの意味は「良いことは悪いことに勝つ」です。
まーそのまんまですね。(笑)因果応報とも言います。
仏教的なことわざです。なので、まずは単語の補足説明を少ししたいと思います。
「ธรรม(tham)」ですが、一応意味としては上記の通りなのですが、少し分かりにくいと感じる人もいると思います。
単純に正しいと言うよりも、宗教的なというか、道徳的な意味でも正しいことです。
他に「คุณความดี(khunkhwaamdii)」という言い方もありますが、これは貢献、功績、功労という意味です。
「ธรรม(tham)」と「คุณความดี(khunkhwaamdii)」の二つの単語は、日本語では違う意味で訳されていますが、タイ語では同じくくりの意味として捉えられています。
それぞれの単語は原因と結果を表現したものの違いでしかないということです。
こんな感じで、タイ語で使われてる単語の意味の範囲まで理解すると、間違った使い方は避けられると思います。
そんな一つの単語に一つの日本語の意味みたいにして覚えるのを避けるために、一つのことわざに一つの記事みたいな非効率なことをやってるのがこの「ことわざ」のコーナーです。
余計に混乱してしまってる方 すいません。m(__)m
単なる文章力不足ですので大目に見てやってください。
続けます。
「ธรรม(tham)」はいわゆる単語の構成要素の一つでもあり、「ธรรมะ(thammá)」とつづり、「เป็นคนมีธรรมะ(pen khon mii thammá)」で徳のある人とか、「เป็นคนมีศีลมีธรรม(pen khon mii sǐin mii tham)」で品行方正な人という風に使うことも出来ます。
「ชนะ(chaná)」の反対語は「แพ้(phɛ́ɛ)」ですが、この負けるは薬に負けるとか、漆に負けるなんかのときの「負ける」の時にも使われます。
日本語と同じ表現なので忘れないと思います。
「อธรรม(atham)」は「ธรรม(tham)」の反義語です。
これもタイ語の他の表現で、「ไม่เป็นธรรม(mâi pen tham)」とか「ไม่เที่ยงธรรม(mâi thîaŋ tham)」、「ไม่ยุติธรรม(mâi yúttìtham)」といった言い方も出来ます。
意味は同じです。
このように、タイ語の単語を増やす一つの方法として、反義語を同時に覚えることも有効です。
単語を増やす参考書としては「タイ語の覚え方・使い方」が初級の人用でオススメです。

どんなときに使う?
良いことをすることは、悪いことをするよりもいい結果を得ることができ、悪いことをすれば、良いことをするよりも悪い結果になるということを分からせるために使います。
安全な社会を作るために、コミュニティーを構成する人には最低限理解して行動指針として欲しい、というのがこのことわざです。
なので、実社会の勉強真っ最中の子供に対して使うことが多くなると思います。社会人になるための入門編第1課で習う言葉ということです。
たまに大人に対して使う時がありますが、こういうことを言われないように行動したいものです。(゚∀゚)
タイ語でことわざを使わずに言う場合は「ทำดีได้ดี ทำชั่วได้ชั่ว(tham dii dâi dii tham chûa dâi chûa)」と言います。
具体的使用例
中学生になっても、花子さんのいたずらはやまず、いつも弟の太郎君を困らせてました。
ある日のことです。
お母さんが二人にお弁当を作っているのを目撃した花子さんは、良からぬ考えが芽生えてしまいました。
お母さんの作った二人の弁当箱の中にはイタリアンスパゲティが入っています。
その弟の方にこっそりとゴム製のミミズのおもちゃを混ぜます。
油がからまって、本物のミミズと見間違えるほどです。
弟が自分の弁当箱をカバンに入れて小学校に向かったのを確認した花子さんはひとりでお腹を抱えて笑っています。
こんな感じでちょっと度を越したいたずらなんですが、花子さんはやめようとしません。
その日は朝から体育の授業があり、3時間目の終わりには既に少し恥ずかしくなるくらいに腹が鳴ってます。
花子さんの席は一番うしろの席で、しかも入り口の直ぐ側です。
前の席の京子さんは一番の親友です。
くじ運だけは何故か強い花子さんです。
京子「お腹鳴ってるよ」
花子「マジ? 聞こえるの?」
京子「うん、ちょっとね」
花子「どうしよう…」
京子「食べちゃえば? 早弁」
花子「えーっ!? 見つかったらどうする? 岸田怖えぇじゃん!」
岸田というのは担任でもある数学の教師です。今、花子さんたちの4時間目の授業をしています。
京子「その席なら大丈夫だよ」
花子「そうかな? じゃあちょっとだけ…」
と教科書を屏風のように立てかけ、こっそりと弁当箱を出します。
音を立てないようにこっそりと蓋を開け、箸でおかずをつまんで、急いで口に入れます。
岸田先生は黒板に向かって、数式を書いていたその時です。
ぎゃあああーーーー
花子さんは突然大声で叫んだのです。
「み、み、みみずぅーー」
と言って気絶してしまいました。
そして今
「なんてことあったんだよねぇ」
と大人になった弟の太郎君に話す花子さんです。
「へぇー、オレにイタズラばっかりしてたからだよ。善は不正に勝つってやつでしょ?」
花子「アンタが入れ替えたんじゃないの?」
太郎「知らねーよ!」
花子「アンタ以外の誰がやったっていうのよ!」
太郎「自業自得じゃね? 神様は見てんだよ!」
そのころ大きなくしゃみをしたのは神様こと花子さんのお母さんでした。
おわり