ロイクラトンはソンクラーン(水掛け祭り)とともにタイを代表する祭です。
特にチェンマイのイーペン祭が有名ですが、これもそのロイクラトンの一種です。
どーもあそーくです。
今回はバンコクでのロイクラトンの紹介と、タイ語学校での行事の一環として行ったクラトン作りの様子も軽く紹介します。

ロイクラトンの概要
ロイクラトンは旧暦12月の真ん中の日の夜、上弦の15日目の月の夜、に行われる儀式です。
満月の夜なので、満潮の日になります。
一般的にはバナナの幹で作ったクラトン(灯籠)に花やバナナの葉っぱでデコレーションしたものを流します。
これは、線香とろうそくを上面に刺して火をつけるので、水中に沈まないようなものでなければなりません。
蓮で作った小さいいかだなどもあるそうですが、見たことはありません。
水辺に流す前に願い事をし、それから川や池に浮かべます。
中国やインド、カンボジア、ラオス、ミャンマーの一部にも似たものがありますが、細かいところでは違う部分もあり、 一応ロイクラトンは、タイのオリジナルの儀式という認識です。
ま、タイ人がそう認識しているだけで、ルーツは同じだと思います。日本の精霊流しもそうだと思います。
ちなみに、ロイクラトンはタイ語で「วันลอยกระทง」(wan lɔɔi krathoŋ)と書き、“クラトンを流す日”という意味です。
ただし、ロイクラトンという名前でこの行事が出てくるのは、公的な記録によると1825年からで、そう古くはないですね。
似たようなものはもっと古い時代あったはずです。
細かい儀式や信仰は各地域で異なるようです。
またタイ人の各家庭でも、それぞれの家のやり方があり、特に「こうしなければならないっ!」というのはないようです。
大昔から続いている伝統的行事ですが、いつごろから始まったのかは定かではありません。
大きいほどにご利益が大きくなるというわけではありませんが、いつの時代も願い事のためなら人は多少の無茶はするものです。
ラーマ3世の時代には高さ5メートル、幅4メートルもの巨大クラトンを作ってチャオプラヤ川に流したという暴挙も冒しています(笑)。
もちろん後日談に後始末が大変だったという話がつくのはお約束です。
ロイクラトン対する人々の思い
一般的には水の女神に対して、祓ってもらい、罪を認め許しを乞う儀式ですが、それ以外の説もあるそうです。
他にはナムマハーナティ川のほとりにあるというブッダの足跡に対して祈りをささげるという説もあります。
また、ウパグプタ(アショカ王の師匠である僧)に対して祈りをささげる説もあって儀式の意味がはっきりとは決まっているわけではないようです。
タイ全土で行われるほどの代表的な行事であることは説明しましたね?
その中でも特に川や運河沿いなど、水辺の多いの地域で行われ、それぞれの地域で興味深いさまざまな特徴があるそうです。
冒頭で紹介したチェンマイのイーペン祭もロイクラトンの一種と紹介しましたが、チェンマイもピン川(チャオプラヤー川の支流)沿いにある街です。
いずれにしても東南アジアを中心に何らかのオリジナルの儀式があって、なが~い時を経て各地域ごとに違いが出てきた結果、現在のタイのロイクラトンが出来上がったのは間違いないようです。
学校行事としてのロイクラトン
僕が通っていたタイ語学校では、この日授業はあったのですが、1時間ほど授業をした後、みんなでクラトン作りをします。

こういった行事は他の学校でも度々行われます。タイ文化を理解するための一環として各校、積極的に行っているようです。
で、実際にクラトンを作るのですが、花以外は全てがバナナです。
タイ人にとってバナナは切っても切れないモノなので、あえてバナナで作るんだと思います。

自信作ではない(泣)
画像を見てもらうとわかると思いますが、円形のバナナの幹を切った上に、バナナの葉っぱをうまい具合に折りたたんで装飾します。
バナナの幹は正円ではないですし、バナナの葉っぱも曲がっています。
しかも葉っぱの繊維は微妙に曲がっているので、整形しやすいようには出来ていません。
プラモデルとは理由が違います(泣)
ということなので、このザマです。あえて写真は小さめにしてあります(笑)。
葉っぱ等は小さい釘で留めていきます。バナナの幹は柔らかいので、指で簡単にずぶずぶ刺せます。
こんな感じでクラトンを学校のロビーにゴザを敷いて、ワイワイとおしゃべりしながら作ります。この期間に授業をとってない生徒も途中から合流してきます。
僕の作ったものに関しては、見てのとおりですが、他の生徒で、素人とは思えないほどにキレイに仕上げてる人もいましたので、その辺は性格の問題のようです。
ロイクラトンに関する豆知識
このロイクラトンでは、本当は少額のコインとか自分の髪の毛や爪を入れて流すそうですが、この辺りにはまだ呪術的な名残があるようです。
若い人の間では(若くなくても可)、二人で流すクラトンが水の流れによって、くっつけば運命の二人、そうでなかったら、帰り道は独りで…になるのかどうか知りませんが、そんな迷信があるそうです。
というわけなので、独りで行くのが賢明だと悟った僕は、独りでチャトチャック公園に向かいます。
公園の前では出来合いのクラトンが売ってます!!
わざわざ自分で作る人は減ってきてるのかも知れません。
風が特に強い日だったため、クラトンの線香にはなんとか火がついたのですが、ろうそくの火はすぐに消えてしまいます。
周りにいたタイ人と協力して火をつけたクラトンですが、どこのクラトンともくっつかずに一つ寂しく流れていったのは言うまでもありません。
この後、流したクラトンが川や池に大量のゴミとなって残るのが、政府の悩みの種です。
ちなみにロイクラトンは水の神コンカーに許しを乞う儀式でもありますwww
おわり