タイ人なら誰でも知ってるノントックの物語はちょっと不条理すぎない?

タイの古典であり、重要な文学に位置づけられている「ラーマキエン」ですが、聞いたことはありますよね?

この「ラーマキエン」ですが、「ラーマーヤナ」のタイバージョンです。

インドのラーマーヤナはヒンドゥー教の中でも重要な叙事詩ですが、長いストーリーで知られています。

このオリジナルとタイのものとはいくつか違いがありますが、その一つが今回紹介するノントックの物語です。

タイ語学校のテキストにも取り上げられることのあるノントックのストーリーなので、聞いたことのある人もいると思います。

それではどうぞ

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ノントックのマエセツ

本家ラーマーヤナは、ラーマ王子とその敵ラーヴァナの戦いを描いた叙事詩ですが、ノントックの物語はこの主要な登場人物の二人の前世物語となっています。

なぜ二人は戦うことになったのか? ということは前世からの因縁で、その因縁が出来上がる原因の物語です。

仏教には元々ジャータカというブッダの前世物語という手法があり、こういったものに慣れ親しんでいるタイならではの創作だとも言えます。

タイを代表するエメラルド仏も、その由来をジャータカの一つに求めているほどに親しまれているものなんです。

日本でも「本生教」という経典で伝えられているんですが、釈迦以外にもいろんな菩薩や諸天でにぎやかな大乗仏教ではあまり注目されなかったようです。

その点、タイなどの上座部仏教の世界では「釈迦こそ全て」的なところがあるので、民衆の興味の対象も釈迦に限定されます。

そこで釈迦の過去世を語ることにより世界観の広がりを獲得していったという訳です。

現在の形の「ラーマキエン」に完成したのは現王朝の最初期のことなので、そんなに大昔から伝えられているというものではありません。

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ノントックの物語のあらすじ

髪をむしられるノントック

主な登場人物は主人公のノントック、それを退治するプラ・ナーラーイ、ヴィシュヌ神のタイでの呼び名です。

場所は天界、ノントックはヤックです。

ヤックは日本語の夜叉、寺院に行くと赤顔や緑顔の怖い顔をして牙をむき出しにして、いろんなものを支えている像がありますよね?

この内の靴を履いているのがヤックです。(履いてない方は猿)

ノントックの仕事は神々の足を洗うことです。

しかし、神々は面白がって足を洗ってもらっている最中にノントックの頭を掴んだり、叩いたり、髪をむしったりしていました。

まーひどい神もいたもんです。

である日自分の姿をみたノントックの頭は…

ツルッ禿げに!! (゚∀゚)

神だけに「髪があぁああああ (T_T)」

となったのは想像にかたくありません。

ノントックが神々に対して激しい恨みを抱きます。

なんとかして報復をしたいのですが、残念ながらノントックにはそんな力はありません。

それをかわいそうに思ったプラ・イスワンはお金では買えないものを与え、ノントックを慰めることにします。

それがダイヤの指です。指輪ではありません。

ちなみにプラ・イスワンはシヴァ神のタイでの呼び名です。

このダイヤの指には、指差すと相手が死んでしまうというパワーがあります。

ノントックの人差し指は奇妙なダイヤに変わってしまいます。

そんなものなんで与えた? (゚∀゚)

こんな報復に絶好のツールを与えられたノントックは、早速神々に対して復讐を開始します。

そうして次々と神々を倒していくノントックに手を焼いた残った神々が、プラ・ナーラーイに相談に行き、プラ・ナーラーイ自身がノントックの討伐をすることとなりました。

ノントックを見つけたプラ・ナーラーイは美女に変身します。お約束どおり、その美女を見初めたノントックは自分の妻になれといいます。男神とは知らずにです。(笑)

美女に変身したプラ・ナーラーイはノントックに、妻になるための条件を出します。

自分と同じように踊れたら妻になってもいいということです。

「そんなことなら」と二つ返事でOKしたノントックです。

美女と同じように踊っていましたが、ある振り付けで美女は指で自分の方を指す動きをしました。

踊りに夢中になっていたノントックも思わずダイヤの指で自分を指してしまします。

もちろんダイヤの指の効力は自他を問いません。

哀れノントックの命は尽きてしまいます。

まだノントックの息がある内にプラ・ナーラーイは変身した姿をもとの男神に戻してしまいます。

息絶えつつもますます怒りの火を燃やすノントックが

「そんな力をもった神だからオレに勝てたんだ」的な文句の罵詈雑言をプラ・ナーラーイに浴びせかけます。

それを聞いたプラ・ナーラーイは

「じゃあ次はオレは人間で、お前は怪物な!」

的なことを言ってノントックの首をスパーンと掻っ切り、とどめを刺します。

こういった経緯でノントックは10個の頭と20本の腕を持ち、沢山の武器を持った怪物トッサガン(ラーヴァナのタイでの呼び名)に生まれ変わることになりました。

そして、プラ・ナーラーイは普通の人間のラーマ王子として生まれ変わり、互いの能力的な条件を変えて、再び戦うことを約束したのでした。

というのがノントックの物語のあらすじです。

事件発生の真犯人は?(笑)

ノントックの復讐

ノントックがプラ・ナーラーイに破れた根本的な原因は自分の間抜けさにあると思うんですが、その辺はさらっとスルーしています。

指差しただけで死んでしまうような武器を与えるプラ・イスワンもあんまりだと思います。

そんな武器もらったらオチオチうたた寝すらできません。基本的な日常生活を送るのに大いに支障が出ること間違いなしです。

ノントックの討伐にはこの神様の名前はありません。そりゃそうでしょ。(笑)

そもそもの原因は、足を洗ってもらってるのに髪の毛をむしる神々です。

しかも指をわけのわからんものに変えられ、通常の生活をおくることもままならなくなり、更には化物に転生です。

不憫すぎます。(T_T)

とまー、いろいろとツッコミどころ満載の物語です。

ラーマキエン自体はなが~い物語ですが、このノントックの物語の部分はタイ人なら誰でも知っています。

ま、そんなタイ文化の基礎的な話の紹介でした。

おわり

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