タイ語に限りませんが、外国語の学習を続けていると、母音の発音って結構おろそかになりがちです。
習った当初は気をつけて発音していますが、だんだんと口が
「楽をしよう、楽をしよう…」
と自分の意思に対する反抗期がやってきます(笑)。
そしていつしか日本語風◯◯語の出来上がりです。
かくいう僕にもそういう時期がありました。
今でも反抗期真っ只中かもしれません(苦笑)。
そこで、今回はそんなとき(タイ語の母音に限ってですが)正しい発音をすることが意識しやすくなる方法を紹介します。
タイ語の母音
今回紹介する母音は複合母音については省かせていただきます。
というか、複合母音は、基本的に日本語にないものなので、特に意識しなくても、発音するときは注意せざるをえません。
また、日本人は長母音と短母音の区別もできるので、片方しとけば大丈夫かと思うので、短母音についての説明は割愛します。(厳密にいうと短母音の発音方法は違う)
というわけで、今回は長母音の基本的な9つを中心にして説明していきます。では早速
タイ語の長母音には
- -า :aa
- -ี :ii
- -ื :ɯɯ
- -ู :uu
- เ- :ee
- แ- :ɛɛ
- -อ :ɔɔ
- โ- :oo
- เ-อ :əə
の9つがあります。
これら9つの母音の中には日本語にあるもの・ないものが混ざっており、たいていのテキストには「日本語にない母音」だけを集中して説明しています。
確かにこの「日本語にない発音」だけを注意して発音するっていう方法でもいいんですが、中にはそこだけ突然意識して発音するような人もいて、会話が変な所でとまってしまいます。
結果、変なリズムの会話になってしまうのです。
このように一つ一つ覚えて、会話のたびに思い出すのは効率的ではありませんし、何より実用性に欠けると思うんです。
タイ語の母音体系を意識する
そこで今回紹介する方法の出番です。
と偉そうに言ってますが、僕が考案したものではなく、タイ語の語学学校に通っていた際に習った方法です。
日本のタイ語学校ではないので、様々な母国語の背景の人たちが集まっています。
それぞれの出身国ごとに苦手な母音は異なっているのは当然です。
そこで、学校で教えるメソッドとしては、全ての生徒に共通して使えるものでなければなりません。
なので、日本人向けに不得意なところだけを特化して説明するのではなく、タイ語の母音体系にのっとって教えてくれる方法なんです。
タイ語学校で教えてもらった方法とは
まずタイ語の9つの長母音を3X3の3つずつのグループに分けます。
ii、ee、ɛɛのグループ、ɯɯ、əə、aaのグループ、そしてuu、oo、ɔɔのグループとに分けます。
それぞれ、同じグループ同士の口の形は同じなので、グループ内の音の差異は口の開き方の大きさで区別します。
とこまごま書いても他のテキスト等に載っているものと同じになるので、そこは差別化を図りたいと思います(笑)。
取り敢えず以下の図をご覧ください。
ii
ee
ɛɛ
ɯɯ
əə
aa
uu
oo
ɔɔ
見てもらえばわかると思いますが、「ii」以下の口のカタチは同じで開き具合が違うだけになっています。
同じように「ɯɯ」以下のグループも「uu」以下のグループも同じように口の開く大きさの違いだけというのが分かります。
このように3種類の口のカタチのバリエーションだと思って、その口のカタチを維持したまま発声すれば、だいたいの発音はあってると思います。
実際に会話をしている時に
「イ」の口の形で「ウ」の発音
とか、
「oo」の発音より下顎をさげて少し開いて
のように、ひとつひとつの母音を考えながら発話するより、直感的に理解できるかと思います。
また、これに似たもので、テキストによっては
のように、舌の位置で説明しているものもあります。舌で各音の違いを意識すると口の開きが弱くなってしまう傾向が(特に日本人)あります。
また、舌の位置関係を意識するのは、口の開き方を意識するのより難しく感じます。
それに、口のカタチ、開き方が固定すれば自然と舌の位置もある程度決まってきます。
なので、口の開き方で発音を調節するのをメインに考えたほうがやりやすさという点からもオススメします。
その上で、舌の位置関係を説明した図を使って発音を補正していけば、より正確な発音ができるようになるハズです。
まとめ
今回は母音の発音のコツを紹介しました。
タイ語を学習中の方の多くは、子音についてはある程度意識して発音してると思います。
というのも、子音に関しては最初に出る息とともに出すものなので、間違うとそもそも違う意味の単語になる可能性があるからだと思います。
これに対して母音の発音の場合は、多少間違ってもタイ人が聞き取ってくれます。なので逆に矯正する機会になかなか恵まれないという事情があります。
そこで、今回紹介した口のカタチをイメージしながら発音していくことを習慣づけていれば、比較的早くタイ人に近い母音になるのではないでしょうか?
発音に関しては学校の先生でもない限り、タイ人は間違いを注意してくれません。(よほどひどい場合は別です)
「せっかくタイ語話してくれるのに…注意すると悪いかも」と思ってくれているのか、わざわざ注意するのが面倒だからなのかわかりませんが…(笑)
まぁそういうことなんで、今回紹介した方法などを参考にして、自分自身で切磋琢磨していきましょう!
タイ語筋が出来るまでの辛抱です。
สูๆนะ!(su-sûu náーがんばって!)
おわり