【タイ語のことわざ】この見事に咲いた桜吹雪、忘れたとは言わせねぇ!

普通は警察官とか検察しか犯人を逮捕できませんが、一般の人でも逮捕できる場合があるのは知ってますか?

どーもあそーくです。

日本の法律では現行犯に対しては一般の人でも逮捕できる権利があります。

これは、もはや言い逃れできない状況で、犯人が確実にわかっているので誤認逮捕の心配がないからです。

とは言っても、軽微な犯罪の場合には逃亡の恐れなどいろいろと条件があるので何でもかんでも逮捕だ-! は出来ないので注意して下さい。

今回のタイ語のことわざはまさにこの、現行犯逮捕についてです。
現行犯にことわざ? ってなると思いますが、現行犯逮捕だけに限定したことわざがタイ語の中にはあるんです。

そして、極めてタイ風なのです。

それではどうぞ

คาหนังคาเขา

皮も角も残っている

発音:khaa nǎŋ khaa khǎw

単語
  • คา:残す、余す
  • หนัง:革、皮(動物、人間)
  • เขา:角

単語の「เขา(khǎw)」ですが、角以外に、山の意味もあります。

「ภูเขา(phuu khǎw – 山)」の「เขา」ですね。

これら「角」や「山」の場合だと「khǎw」と発音しますが、「彼/彼女」の三人称を表す場合も同じ「เขา」と綴りますが、発音は「kháw」と変化します。

タイ語にはこういった声調が変化するものがいくつかあるので、その都度覚えるしかありません。

このことわざの意味は、証拠が明らかで、現行犯で捕まることです。

「捕まる」という状況が前提なのです。

かなり限定的な状況すぎない?

とも思いますが、この言葉はタイに実在します!

このことわざは牛泥棒とか、水牛泥棒の話が由来です。

その昔、牛や水牛を盗まれる事件は、どこの地方でも頻発していました。

望ましくはありませんが、日常的な出来事でした。

そもそも水牛はどこの家にとってもかけがえのないものです。村の生活とは切っても切り離せない関わりがあります。

昔からずっと、米作りの労働力として使われてきたからです。

泥棒が盗難に成功したということは、何かしらの盗品を手にしているはずです。

それを売り払って金銭に交換したり、あるいは

「返してほしかったら…」

的な感じで恐喝に使ったりもするそうです。(被害者・加害者ともに未経験なので)

以上は一般的な場合ですが、このことわざの泥棒は、牛や水牛を処分して、食用としています。

元々の牛・水牛の飼い主は、ちょうどそれらの肉を切り刻んでいるところに出くわすというのがこのことわざの舞台です。

牛は水牛はタイ人にとっては家族のような存在です。

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そんな牛や水牛です。長年一緒に暮らしてきたとしたら、剥がされたその皮や、抜き取られた角をみて

「オレの牛だ!」

なんてことは一目瞭然なのです。

その時飼い主の発する言葉が

「皮も角も残っている! お前が犯人だ、捕まえてやる!」

ということです。

どんなとき使う?

「คา(khaa)」は残す、余すという意味ですが、他にも「くっつく」という意味があります。

そして、このことわざの中で、牛・水牛の角と皮は犯人特定の重要な証拠品です。

その証拠品が犯人と共にあるということで、「くっつく」という意味を含む単語を使っています。

そこで、「証拠を残す」と「証拠と一緒」の二つの意味を掛けているともいえます。

僕たち外国人は「残す」と「くっつく」と別の意味の単語として認識してますが、この辺りはタイ人の頭の中では明白は区別はしてないのかもしれません。

以上から、犯罪行為の最中を見られて逮捕される時、いわゆる現行犯逮捕のときに使われます。

また、証拠が見つかって逮捕というケースにも使用されます。

具体的使用例

ソムチャイ君の友人のフック君は、ソムチャイ君の日本土産で日本酒をもらってから、大の日本酒ファンになってしまいました。

今回も日本帰りのソムチャイ君から日本酒のお土産をもらったフック君ですが、箱に入った日本酒の銘柄が気になって気になって仕方がありません。

ちょうど車が信号で停車した時に箱を開けてみると、フック君の知らない銘柄です。

「どんな味だろう?」

と気にはなりますが、車の運転中です。味見をするわけにはいきません。

フック君の住んでるところはソムチャイ君のところから車で3時間程かかります。

途中何度も信号につかまり

「なんか今日はついてないなぁ」

と思いながらお酒の入った箱を眺めます。

何度も信号につかまり、箱を眺めるたびにだんだんと

「少しだけなら」

という気持ちがムクムクと湧いてきます。

結局、誘惑に負けたフック君は少しだけ味見してしまいます。

それはこの世のものとは思えないほどの味に思えるほど感動的な美味しさでした。

そして信号につかまるたびに少しだけといって味見をしたのでした。

そうこうしている内に、自宅まで後少しという時に警察に車を停められてしまいます。

かなり危なげな運転をしていたのです。

「お前、酔っ払って運転しているだろう?」

との警察の尋問に

「全然酔ってまひぇ~ん」(*^_^*)

と答えるフック君の車の中はアルコール臭で充満しており、助手席には空の酒瓶が転がっているのです。

「ま、皮も角も残ってるな!」

とニッコリする警察官に対して、ニッコリと満面の笑みで答えるフック君でした。

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