【タイ語のことわざ】タイにいる“しみったれたヤツ”はなぜかアツい!

タイ語のことわざには日本語で表現することの出来ないものがたくさんあります。

もちろん外国語なので、違うのは当然なのですが、同じ人間です。その人間の犯しがちな過ちや、「~すべきこと」などは大きくは違わないはずです。

こういったことを簡潔に表現しているのがことわざなので、似たような表現が結構あります。

そんな中でも、「??」となることわざも少なからずあります。

この「??」となることわざこそ日本の文化にはない、その文化特有の価値観などを表していると言えるでしょう。

今回紹介するのは、こんなタイ文化特有の価値観を表現したことわざです。

日本の文化では特に重要視していないものなので、こういったことわざは意味は分かりますが、少し理解するのが難しいかもしれません。

こういった理由からタイ文化を理解するのにことわざは有効なツールだと思います。

それではどうぞ

เกลือจิ้มเกลือ

塩に塩をつける

発音:klɯa cîm klɯa)

単語
  • เกลือ:塩
  • จิ้ม:(タレなどに)つける

まずは、ことわざの意味からです。

譲るということを知らない人間が二人会うと、どちらも譲るということができません。

その結果、自分が不利な状況にならないようになるようにした挙げ句、相手を負かすことだけに頭がいっぱいになってしまいます。

結果として、この二人の間に道徳的・理性的な考えなんか出てこなくなっていきます。

こういった状況や関係を表しているのがこのことわざです。

意味はわかりますが、日本人的には

「どんな時に使う? あまり使わないかも…」

って思いません?

日本は相手を出し抜いてでも得をしようとかいう人間は、社会的に抹殺とまではいいませんが、友達なくしますよね?

なので、こういったシチュエーションは起こりづらいです。

というか、そういう人間にならないようにする方向に意識は向いています。

ちなみに、この「จิ้ม」(cîm つける)は、浸すとか、ポテトにケチャップを「つけて」食べるとの場合に使う意味です。

漬物を「つける」とか、単に接着するの「つける」の意味ではありません。

タイ語における塩の位置づけ

そもそも、塩というものはしょっぱいものです。

酸っぱい食べ物 ー例えばマヨム※(มะยม – mayom)、タマリンド(มะขาม – makhǎam)、ライム(มะนาว – manaaw)なんかを食べるときに、タイ人は塩をつけます。

※注
マヨムは咳がひどい時に使うトローチなどに入っています。日本にはないベリー的なものの一種です。
咳が止まらない そんな時に現れた救世主

こういった酸っぱいものに塩を加えることで、より美味しくなるそうです。

酸っぱい味がまろやかになるので、タイ人なら誰でも酸っぱいものには塩をつけて食べるのです。

塩には、きつい味をまろやかにする、癒し系的な効用のある物質ですが、それ自体は塩辛くて、「まろやか」からは程遠い味です。

そんなことから、塩辛いというタイ語の「เค็ม(khem)」という形容詞には、他に「けち」、「しみったれ」、「せこい」という意味あいもあります。

日本語における「塩」のイメージ

日本人は「塩」に対してどういうイメージを持っているのでしょう?

タイ語にもある「しみったれた」とか「せこい」などの意味は、日本語の「しょっぱい」「塩辛い」も似たような語感がありましたね(笑)。

味覚から来るイメージですね。梅干しを想像して下さい。

梅干し

イメージ力貧弱な方用

はい、その顔です(笑)。

なので、このことわざの意味することが全然わからないわけではありません。

ただ日本では「塩」に対して、お清めする。何か不浄なものをキレイにするといった、特別に神聖なイメージも同時にあります。

盛り塩とか、相撲の土俵に上がる時に塩を撒きますよね。

なので「塩」と聞いただけでは、すぐにはどちらのイメージで使われているのかはわからないのです。

というわけで、ことわざには使いにくいのかも知れません。

「傷口に塩を塗る」みたいな例外もあるにはありますが、具体的行動なので、どんな状態なのかイメージしやすいです。

ことわざの具体的使用例

このことわざ「塩に塩をつける」は、塩辛いもの(けち、しみったれ、せこい人)同士をあわせたら、同じ塩辛いままで美味しくはなりません。

というか塩辛さは倍増です。子供にもわかります(笑)。

塩の良さをアピールできない状況でもあり、最悪の状態とも言えます。

例えば、「けち」・「しみったれ」・「せこい」ような人同士が出会ったら、双方同レベルの策略を練って勝負がつくまで争います。

そんなときに、(アイツらアホじゃね?)みたいな感情とともに使います。

使用例

あの二人って、いつどこで会っても、悪口を言いあったり、罵りあったりしている。

妥協とか知らんのかね? 徹底的にやりあってるよね。

塩に塩をつけるみたいだね。(アホじゃね?)

みたいな感じで使います。

日本ならお互い牽制しあって、近寄らない関係ですね。

触らぬ神に祟りなしです。

日本人はまず第一に周りの空気を考えるますが、タイ人は自分の行動を制約されることを嫌うようです。

なので、こういったことわざが活躍する機会がたくさんあるんですね。

以上、「塩に塩をつける」の紹介でしたが、いかがでしたか?

塩単体で効用があるということは、「塩辛い」人が一人の場合は社会的に有用ということなんでしょうか?

うーん、タイ人が分からん!(いつものことだが)

タイ人と日本人って似てるようでいて、当然ですが、違うところもたーくさんあるんです。

おわり

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