タイ船舶博物館はアユタヤにあります。長崎までは50日ほどで到着予定

バンコクから成田まで、だいたい6時間半くらいかかります。

僕はこのたった6時間半でもなが~く感じるんですが、どうですか?

あそーくです。

現在は飛行機という高速の便利なものがありますが、昔は船しかありません。

江戸時代なので、バンコクー成田間ではなく、アユタヤー長崎の距離ですが、だいたい50日かかっていたそうです。

一度行ったら、そう簡単には帰国できませんね。便利な時代になりました。

今回はこの50日でタイ-日本間を往来していたシャムの船に関する話です。

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ジャンク船

シャムの使っていた船はジャンク船でした。

ジャンク船ってチャイナってイメージありますよね。

その前にジャンク船がどういうものかと言うと

ジャンク:(戎克、英: Junk)は、中国における船舶の様式の1つ。古くから用いられてきた木造帆船だが、物資・貨客の輸送業務においては、19世紀以降蒸気船が普及したことにより衰退した。ー 引用:Wikipedia

です。と言ってもよく分かりませんね。

ざっくり説明すると、蒸気船以前の船で、竜骨(キール)のない船で、かつ主にアジアで活躍していた船です。

今でも観光用として少しはあるそうです。

竜骨っていうのは、船頭から船尾まで貫いている、大黒柱みたいなものです。ま、船の背骨です。

で、竜骨もないのに遠洋航海も可能な作りだったのは、水密隔壁で、多少の破損にも強かったかららしいです。

「水密隔壁」っていうのは船がいくつもの部屋に分かれていて、一部が破損しても水漏れ安心みたいに他の部屋に損害が及ばないという構造です。

水密ではなかったという説もありますが、それでも強度に関してはそうでないものより高かったと思われます。

西洋の船とは設計思想が違いますが、シャムで使われていたのはジャンクの方です。

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シャム船

シャム船

平戸の松浦史料博物館に所蔵されている「異国船絵巻(唐船之図)」は鎖国時代の日本に来航していた異国船が描かれているものです。

この「異国船絵巻」には12隻の異国船が彩色もされ、綺麗に描かれています。

1隻に関してはオランダ船なので西洋船ですが、残り11隻はジャンク船が描かれています。

その中のシャム(暹羅)の船については、他の船とはちがい、喫水線上が小豆色に彩色されています。

「喫水線」とは船が水に浮かんだときの水面際の線のことです。

船体の長さは約46メートルで異国船絵巻の中で最大です。

細かい構造を説明すると…バウスプリットが描かれていて、舵の部分も鉄が用いられているようです。

「バウスプリット」というのは船頭から突き出している棒で、帆を支えたりするのに使います。

異国船絵巻にはバウスプリットからフォアマストまでなにかのロープでつながっているように見えます。

「フォアマスト」とは船の前側のマストのことです。

こういった形状から西洋船の影響を強く受けているのが分かります。

現在、ほぼほぼ閉館中の船の科学館の資料によると折衷船となってまず。

乗員に関しては100名を超えることもあったそうです。

この異国船絵巻は図が詳細に描かれているので、船具も細かく描写されています。

ま、船好きでなければどーでもいい話です。すいません…

とにかく、この絵が描かれたのが18世紀ころと言われています。

シャム船が最初に日本を訪れた記録があるのは足利義満の時代だそうですが、日本もタイも関係ない高麗の歴史書(高麗史)なので、本当のところは分かりません。

とにかく日本の鎖国以降、シャム人が乗船していたかどうかは定かではありませんが、描かれた時代を考えると、江戸幕府の鎖国以降にもシャム船は日本まで来ていたと言えます。

清国も当初は明国と同じく海禁政策(鎖国)を取っていましたが、後に解除されたので、清国人が操って日本まで来たのでしょう。

シャム人も来日していた可能性は否定できません。

アユタヤのタイ船舶博物館

シャム王国は、西アジアと東アジアとをつなぐ位置に立地していました。まぁータイがそうなので、同じなんですけど。

江戸時代には長崎まで航行可能なジャンク船を制作することのできるくらいの技術があり(もしかしたら足利義満の時代でも)、毎年旧暦の4月ころに日本へ向けて出港していたそうです。

そんなタイの船舶についての博物館です。

残念ながら博物館内は写真撮影禁止ということだったので、画像については公式サイトで確認して下さい。

場所はバンコクではありません。

アユタヤのホラッタナチャイ通り沿いにあります。旧市街の中心を縦断しているメインストリートです。

一見すると少し大きな屋敷のようで、博物館には見えないかも知れませんので目を皿のようにして捜して下さい(笑)。

入り口は鍵がかかっており、呼び鈴、博物館の人を呼び出してからカギをあけて入場となるので、言葉が出来ない場合、少しハードルが高いかも知れません。(たぶん英語は可)

館内はタイの古い船(ボート)が復元? されて無造作に置かれていたりですが、暑いアユタヤとは思えないほどの涼しさを感じるほど木々に囲まれたところです。

規模的には博物館というより、資料室程度なのかも知れませんが、様々なタイプのジャンク船の模型が展示してあり、楽しめます。

彩色されたシャム船は、平戸の異国船絵巻を参照して制作したということはひと目で分かります。

そんなに大きな博物館ではないので、サッと見ればあっという間に見終わってしまうかもしれませんが、興味があれば、結構時間が過ぎるのを忘れるくらいの見ごたえはあります。

他に来館者もいなかったので、僕はゆっくりと心置きなく見学することが出来ました。

見終わった後には、博物館の人と少し話をしながら、お茶とタイのお菓子をごちそうになりました。かなりアットホームな感じの所です。

船好きの方には是非いちど足を運んでもらいたい博物館です。

参考 公式サイトThai Boat Museum

おわり

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