タイ人は子供に対して甘すぎる?

今回はタイの子供についての話です。

「家族でタイに行きたいんだけど、子供連れってどうよ?」

みたいな話ではありません。でもまぁ、タイ人が子供に対してどう接しているかはわかると思うので、ちょっとは参考になるかも。

それではどうぞ

家族の意味合いの違う日本とタイ

タイ語で家族のことを ครอบครัว (khrɔ̂ɔp khrua くろーぷくるあ)って言うんですが、厳密にはこの訳は正しくありません。

独身者は親が生きていたとしても、「家族はいない」って言うんです。

日本語にすれば、「家庭をもってない」の家庭の意味のほうがより近いかもしれません。

結構基本的な単語なので、タイ語学校の授業の最初の方に出てきます。

先生が

「家族何人いますか?」(タイ語で)

的な質問したら、普通 “family” の方を想像しますよね? で普通に答えると、

「あなたは家族いないでしょう?」

みたいに先生が言うので、

「え? オレいつから身寄りなくなったの? 自分でも気付かんかったー うかつだったー」

とかなって、教室中が「???」という空気に包まれた状態になった記憶があります。

答えとしては、旦那/奥さん がいて、息子が何人、娘が何人的に答えるのが適切な回答です。

日本の「家族」の意味合いは、どこに所属してて、が重要なのに対して、子供とか配偶者とかを持ってる? みたいな所有の感覚の違いなんでしょうか? よくは知らんけど。

絶対的権力者、それはポーメー

そんな身寄りのない子供が田舎から出てきて、親に必要以上の仕送りをして、親は働かないみたいな話は、タイを少し知ってる人ならよく聞くと思います。

実際、僕がタイ語を習った先生も、子供の頃は親に絶対服従で、なんど理不尽に怒られたかわからない。なんて話を聞かされ拝聴させていただけました。

基本的に「親は絶対的権力者である」という道徳文化があって、良くも悪くもそれに従っとけ! ということだったんでしょう。

それでも、最近はそんなことも少なくなってきたんだとか。

こういうところは多分日本と似たような感じなのかもしれません。

それでも、タイで他人に自分の親を指すときでも、キチンと「 คุณ(khun くん)って敬称つけます。つけない時もありますが、つけてもおかしくありません。寧ろつけるとキチンとしてる的な感じです。

ウチとソトで使い分けるとかはなく、ポーメー(両親)に対しては「敬称をつけるべき人」という絶対評価なんです。

日本で、「うちのお父様は…」なんてやられたら、

「あー、ちょっとこの人アタマがアレな感じなんだー」

と同情されるのとは大違いですね(笑)。

タイの子供

とまぁ、家庭内では親を第一に考えるような子どもたちも、社会では随分高待遇です(笑)。

日本では余り見かけない光景の一つが、「電車内で子供に席を譲るのが当たり前」ということ。

台湾でもそんな感じだったような気もしますが、少なくともタイではスタンダードな習慣です。

電車内でのヒエラルキー

ちなみに、電車内での階級は子供/老人>女性(若いと尚可)>その他(笑)となってます。最下層の身分である僕は、電車で座ったことは数えるほどしか記憶にありません。

「電車よりバスのほうが楽じゃね?」と思う最下層の身分の方々は多いと思います。口には出しませんけど、サイレントマジョリティーです。

そんな甘やかされた大事にされた子供がどんなオトナになるんだろう?

って心配していたときのことです。もちろん日本と価値観は違うので、どっちがいいとは判断できませんが、こんなことがありました。

子供から大人になるエピソード

BTSのエカマイ駅でのことです。夕方とも言えない4時前くらいの頃、用事を済ませた僕は、改札を通ってホームへ向かう階段を登っていました。

すると、若い少年(少年は若いものです)が、僕を軽々と追い越していきます。

多分制服から判断すると高校生くらいです。それも1年生くらいかなぁ? なんとなく。

「こんなクソ暑いのによく走れるな! ちくしょー若さってなんなんだー」

くらいに思ってたんです。

すると、その少年、ホームに駆け上がった所で立ち止まります。時間にして2秒くらいでしょうか。

僕が「?」となった次の瞬間再び、階段を駆け下りていきます。

「あー、忘れ物ね。あるある 取りに帰るか躊躇してたのね」

なんて微笑ましく思っていたんです。

ですが、僕の横をさっそうと通り過ぎた後、背中から何やら話し声が聞こえてくるではありませんか!

振り返ってみると、例の少年とおばあちゃんが話をしています。声は聞こえませんでしたが、どうやら「荷物持ってあげます」的な話らしいんです。

だってその後少年はおばあちゃんの荷物を持ってましたからね。

なんなんだこの清々しさは! あの甘やかされて大事にされて育ったタイの子どもたちも立派に成長してるではないか!

少年がホームの上で

「助けようか? でもなんか格好つけてるみたいで恥ずかしいかも」

みたいな葛藤の末、勇気を振り絞って行動した思春期真っ盛りの青い感情(笑)。

そんな少年の心の動きが手に取るようにわかるでしょう? こっちまで恥ずかしくなってくるぞ!

「少年、お前絶対モテるだろー こうやってタイのプレイボーイは出来上がるんだな」

などど軽く嫉妬を覚えつつ、帰路につく平日の午後の話でした。

タイにはタイのやり方があるんですね。

おわり