2019年3月24日にタイで久々の総選挙が実施されました。
前回、タイの政党の簡単な説明や、タイ語での呼称などを紹介したのですが、とりあえず選挙結果が出たので一応その結果と、前回紹介できなかった分を改めて紹介します。
事前の予想と実際の結果はどれくらい違っていたのでしょう?
が、とりあえずタイ貢献党の勝利でした。
それではどうぞ
選挙全体の様子
事前のアンケートでは95パーセント以上のタイ人が「行く」と言っていました。が、どうだったのでしょうか?
実際の得票率は約65パーセントでした。
投票に行った人の数は33,353,799人です。
下院の定数は500名です。ではその結果はどうだったのでしょうか?
全体の獲得議席数は
政党 | 議席数 | 割合(%) |
タイ貢献党 | 135 | 27.0 |
国民国家の力党 | 119 | 23.8 |
新未来党 | 87 | 17.4 |
民主党 | 55 | 11.0 |
タイの誇り党 | 52 | 10.4 |
その他 | 52 | 10.4 |
となっています。タイ貢献党強いですね。
ただ圧倒的とまではいかなかったようです。
ちなみに国民国家の力党は当ブログでは国民の力党としていましたが、国民国家の力党で各メディアで統一されているようなので、当ブログもそれに倣います。
タイ自由党は前回紹介した政党なのですが、6位で11議席と上位5政党との差は歴然なので、全体の獲得議席数ではその他の政党に入れています。
このうち小選挙区から選出される数は350議席ですが、その内訳は…
政党 | 議席数 |
タイ貢献党 | 135 |
国民国家の力党 | 98 |
タイの誇り党 | 39 |
民主党 | 34 |
新未来党 | 29 |
その他 | 15 |
比例区は定数150議席です。
政党 | 議席数 |
新未来党 | 58 |
国民国家の力党 | 21 |
民主党 | 21 |
タイの誇り党 | 13 |
タイ自由党 | 11 |
その他 | 26 |
となっています。
で、現在の軍政を支持する、支持しないといったもので分けると、反軍政派を表明している議席数が250、まだ支持や反対をはっきりさせていない勢力の数が126、軍政支持が124となっています。(3月25日16時現在)
はっきりと反軍政を表明している数だけで半数いっているのがわかります。
各地方ごとの選挙結果
タイ北部
タイ北部では定数62。投票率は66パーセントでした。
政党 | 議席数 |
タイ貢献党 | 29 |
国民国家の力党 | 25 |
新未来党 | 5 |
タイの誇り党 | 2 |
民主党 | 1 |
タイ東北部(イサーン地方)
東北部の定数は116。投票率は61パーセントでした。
政党 | 議席数 |
タイ貢献党 | 84 |
タイの誇り党 | 16 |
国民国家の力党 | 11 |
民主党 | 2 |
新未来党 | 1 |
タイ国民発展党 | 1 |
タイ団結国家開発党 | 1 |
タイ中部
定数は122。投票率は67パーセントでした。
政党 | 議席数 |
国民国家の力党 | 49 |
新未来党 | 23 |
タイ貢献党 | 22 |
タイの誇り党 | 13 |
民主党 | 9 |
タイ国民発展党 | 6 |
タイ南部
定数が50。投票率が68パーセントでした。
政党 | 議席数 |
民主党 | 22 |
国民国家の力党 | 13 |
タイの誇り党 | 8 |
国家党 | 6 |
国民団結の力党 | 1 |
となっています。小選挙区では初出の政党もあったのでタイ語での名前だけ列挙しておきます。
- タイ国民発展党:พรรคชาติไทยพัฒนา(phák châat thai phátthanaa)
- タイ団結国家開発党:พรรคชาติพัฒนา(phák châat phátthanaa)
- 国家党:พรรคประชาชาติ(phák prachaa châat)
- 国民団結の力党:พรรครวมพลังประชาชาติไทย(phák ruam phalaŋ prachaa châat thai)
このうち国家党と国民団結の力党は当ブログで日本語訳をつけたものですが、その他のものは日本の新聞社とか Wikipedia に記載されているものに準拠しています。
ただ、一部には正しく訳しているものもありますが、大半が「??」となるようなものが多い気がします。
まーあれです昔あった洋楽や洋画の…
「邦題」のようなもの
と考えてもらっていいので、政党名の訳でタイ語の意味を理解しないようにするのが肝要です。(笑)
注目の新未来党は?
「พรรคอนาคตใหม่(phák anaakhót mài)」です。
今回の選挙では最も注目を浴びる存在になると思います。とか偉そうにあそーくさんは言っていましたが、実際はどうだったんでしょうか?
…中々、台風の目的存在でした。比例では一番議席数を獲得していたことや、党首が若いことなど、今後一番の成長を期待できそうな政党です。
バンコクではまぁまぁ支持されてたみたいですが、小選挙区だったのが残念でした。
それでも最古参の民主党を抑えての第三党という結果は大健闘だと思います。
タイ誇り党
選挙前はアンケートの結果にも上位に数字が出ていませんでしたが、急激に票を伸ばしました。
タイ貢献党の反タクシン派が分離して2008年に出来た党だそうです。
タイ語で「ภูมิใจไทย(phuumcai thai)」で略称は「ภท.」です。発音は「phɔɔ thɔɔ」です。
全く注目してませんでした。申し訳ありません。m(__)m
選挙結果のまとめ
実際の選挙結果とのズレは参考にしたデータがバンコクでリサーチしたものだった(バンコク大学リサーチセンター)というのもあるかもしれません。
それでも地方との意識の差は大きいのだと改めて思いました。
参考 公式サイトバンコク大学リサーチセンター一応国外在住のタイ人のために在外投票も実施されたようですが、ニュージーランドからの結果が期日までに届かなかったりと若干のトラブルもあったりしましたが、取り敢えず無事に終了しました。
以上が2019年ののタイの総選挙の結果となりました。
バンコクにいると(僕が目にしたものだけかもしれませんが)新未来党の選挙活動というか、車やバイクを使ってスピーカーで宣伝していたので必要以上に印象に残っていたのかもしれません。
それでも今回一番の注目はやはり新未来党だったような気がします。
別に新未来党が支持政党ではありません。(笑)
正真正銘、れっきとした日本人なのでタイの選挙権は持っていません。
データは25日14:00(タイ時間)開票率94パーセントの時点でのものです。
参考 特設サイトELECT LIVEおわり