ついてない時は本当についてないもので、次から次へと不運が重なります。
そんな時は家から出ずにじっとしておくに限るんですが、そんなの外出してみないとわからないので、結局はどうしようもなく、不運に身を任せるしかありません。
こんな時何かいい手段はありませんかね? 前もって分かるとイイんですけど(笑)。
どーもあそーくです。
今回紹介するのは、そんな運に見放された状況を表現したことわざです。
日本にも似たようなことわざはたくさんあるので、特に難しいものではありません。
ただ、表現の仕方がタイならではなのが少し面白いと思います。
それではどうぞ
หนีเสือปะจระเข้
トラから逃げてワニに出くわす
発音:nǐi sɯ̌a pà cɔɔrakhêe
- หนี:逃げる
- เสือ:トラ
- ปะ:出くわす、遭遇する、接触する、継ぎを当てる
- จระเข้:ワニ
このことわざの意味は、危険なことから逃げられたと思ったら、また他の危機に遭遇することです。
日本のことわざだと、「一難去って、また一難」に相当します。
少し違いますが、「前門の虎、後門の狼」という言葉があります。
意味は前にも後ろにも敵(困難な状況)があって、進退窮まるですが、大体の意味が一緒です。
日本だとトラとオオカミですが、タイだとトラとワニです。
トラは日本にはいないので、中国由来だと思います。
まーでもオオカミなら、もしかしたら何とかなりそうな気もしますが、ワニだと一瞬であの世へ旅立ってしまいそうですww
バンコクでも時々野良ワニ(笑)が出て大騒ぎするそうです。絶滅してしまったニホンオオカミとは違います。逞しいです。
ま、遭遇したら諦めるより仕方ないんでしょうか? 意外とワニは素早いらしいです…みなさんも気をつけて下さいww
サムット・プラカーンにはワニファームがありますので、お好きな方はどうぞ。僕は余り行きたくありません。怖がりですので(笑)。
どんなとき使う?
危機回避に成功したのに、その先でまた危機に遭遇するというときに使います。
一度目の危機に遭遇し、それは回避できたという点がポイントです。
何度も不運を享受するのではありません。
この点だけ押さえれば、このことわざは特に難しいということもないでしょう。
具体的使用例
使用例は挙げるまでもないと思いますが、このことわざを説明しているタイ語のサイトで挙げられた例が、色々と面白かったので紹介します。
ツッコミどころ満載ですので期待して下さい。
ソイの出口あたりでガラの悪そうな若者グループがお酒を飲んでいます。
そんな彼らがエーさんにちょっかいを出してきます。
怖くなったエーさんは走って大通りに出て、タクシーを捕まえますが、ついてないことに「ハズレ」のタクシーに乗ってしまいました。
今度は、そのタクシーの運転手がエーさんにちょっかいを出してきます。
そして、そのままどこかへ連れて行かれそうになりました。
このような状況を「トラから逃げてワニに出くわす」と言います。
いやー、スゴイですね。若者がエーさん(性別不明ww)をからかってちょっかいを出すのは、まぁ想定内ですが…
タクシーの運転手のディスられようww
こんな例を出されて
「なるほど、わかりやすい!」
となるのが、一般的なタイ人ということです。
つまり、「タクシー運転手のイメージはタイ人の間でも良くない」というコトが分かるいい例です(笑)。
ムイさんはお店を開きたいと思っています。
でも店を開くには資金が不足しています。
というわけで、銀行ではないところ(闇金ww)からお金を借りようとしましたが、一ヶ月10パーセントという高金利です。
一度は借りようと思ったムイさんでしたが、やっぱり払いきれないと思い、考え直した結果、そこで借りるのをやめることにしました。
で、ほかの人からお金を借りることにしましたが、今度はなんと利子20%です。
迷った挙げ句、結局そこでお金を借りることにしました。
これも「トラから逃げてワニに出くわす」です。
借りるんかいっ!!www
うーーーーん、どう突っ込めばイイ?
普通に月10パーセントというのは法外に高い金利です。日本では当然違法行為です。
経済成長率が4パーセント前後のタイでも、当然高すぎると感じる数字でしょう。
ま、借りるのを辞めたムイさんは賢明だと思いますが、何で20パーセントのところで借りる?
一度断ったところに再び頼みに行くのは恥ずかしかったり、プライドが許さなかったりというのが平均的なタイ人の感覚なのがわかります。
こういう図々しさのないのはタイ人の都会的なところでもあり、弱いところでもあります。まー嫌いじゃないですけど。
あと、借り手を探すのがメンドーと思うタイ人の性格もよく表している例です。
でも20パーセントって、4ヶ月後は借金倍になりますよ! そんなに儲かる商売って...
どんな店を開くつもりなのかが、ひじょーーーに気になります。
ていうか、使用例なのに「借りることにしました」ってオチは必要なんでしょうか?www
以上が、タイ語のサイトで説明されていた具体例です。
例を見ると、どうやらこのことわざは小学生とかが習うことわざのレベルではないみたいですww
まー、あくまで使用例なので、若干誇張されてる部分もあると思いますが、こんなところからもタイの社会が垣間見えて面白いです。
おわり