タイ語では「ขอบคุณนะค่ะ」(khɔ̀ɔp khun ná khâ コープクンナカ -ありがとう)とか「ขอโทษนะครับ」(khɔ̌ɔ thôot ná khráp コートートナクラプ -ごめんねさい)とかで文中に「นะ」(ná)を入れると表現が柔らかくなります。
なので、この「นะ」(ná)をよく多用している人も多いと思いますが、どうでしょうか?
この「นะ」って意外と使い方が難しいんです。
今回は「นะ」に着目したタイ語のTipsを紹介したいと思います。
「นะ」の基本的な使い方
「 นะ」を文中に入れると、話している語感がやわらかく聞こえる
というのが基本的なイメージです。
例えば
- 「ไปแล้วนะ(もう行きますね)」(pai lɛ́ɛw ná)
- 「พรุ่งนี้เจอกันนะ(明日会いましょうね)」(phrûŋ níi cəə kan ná)
などのように使います。
この場合の「นะ」は目上の人や親しくない人(笑)と話すときは「ครับ/ค่ะ」に置き換えることが可能で、それだけで丁寧な表現になります。
例えば、前述した
- 「ไปแล้วนะ(もう行きますね)」
- 「พรุ่งนี้เจอกันนะ(明日会いましょう)」
のような言い回しは、「ครับ/ค่ะ」に置き換えると、それぞれ
- 「ขอตัวก่อนค่ะ(お先に失礼します)」(khɔ̌ɔ tua kɔ̀ɔn khâ)
- 「พรุ่งนี้เจอกันค่ะ(明日お会いしましょう)」(
- phrûŋ níi cəə kan khâ)
といった丁寧語で使うような形になります。
「ขอตัวก่อนค่ะ」は少し丁寧すぎました(笑)。
以上は基本的なテキストなら大抵載っているものなので、特に問題はないかと思います。
少し難しい「นะคะ」の使い方
男性の場合は特に問題ないんですが、女性の場合「นะคะ」(nákhá)と「คะ」(khá)のように、疑問形になった時は注意が必要です。
「นะ」+「คะ/ครับ(疑問形)」を文中に入れると、単純な疑問というよりも、相手に問いかけるようなニュアンスになります。
例えば「一緒に帰りましょう(กลับบ้านกันนะ [คะ/ครับ])- klàp bâan」だと
「私は家に帰ります」に「あなたも一緒に帰りませんか?」という同意を求める意味が含まれてきます。
また、「いただきます(กินแล้วนะ [คะ/ครับ])- kin lɛ́ɛw」という文の場合
「いま食べようとしている」に「食べることの許可を求める」という気持ちが含まれたニュアンスになります。
こんな感じでTPOによって「นะ」の意味するところは変わってくるので、使いこなせるようになるには少しの慣れが必要です。
「น่ะค่ะ」と「นะคะ」はどう違う?
「น่ะค่ะ」(nâkhâ)にはマイエーク(「อ่」)ー นの上についている1みたいな記号 が両方共ありますよ。見落とさないで下さいね。
肯定文の時はこのように変化します。
ちなみに「น่ะค่ะ」って書くときはくっつけて書きますが、発音のときは「น่ะ」-「ค่ะ」と間を少し空けて話します。
ニュアンス的には、前に話した単語を強調したり、念を押したいとき、または、やんわりと断るときに使います。
「用事があったのです(ไปธุระน่ะค่ะ)- pai thúrá」という文の場合
用事があったの(ไปธุระนะ)と言うと、会話の相手は、どんな用事? とか誰と会ってたの? って好奇心をもって聞きたくなりますよね?
聞きたくならない? タイ人は聞きたくなるんです(笑)。
で、「これ以上聞かないで!」って念を押す感じで答える時に使います。軽い拒絶です(笑)。
他にも、「好きじゃないんです(ไม่ชอบน่ะค่ะ)- mâi chɔ̂ɔp」っていう文の場合
- 「好きじゃないんです(ไม่ชอบค่ะ)」=100パーセント嫌い
- 「好きじゃないんです(ไม่ชอบน่ะค่ะ)」=60~90パーセント嫌い
どのくらい嫌い(嫌い度数)かを表現できるので、あまり絶対的な判断を下したくないときには便利な表現です。
といっても他の要素(例えば、答えるときの態度や表情とか声のトーンとか)もよく見て総合的に判断しないと、60パーセントに近いのか90パーセントに近いのかはわからないんですけどね(笑)
ただ、可能性はゼロではないですwww
タイ人でも間違える「นะค่ะ」
最初に断っておきますが、「นะค่ะ」nákhâという使い方はタイ人的には間違いです。
が、全然使わないわけでもありません。
日本語の「食べれるー食べられる」とかの類の現代語でしょうか?(ちょっと違うかも…)
それでも「นะค่ะ」 を使う場面は非常に限定的です。
仲良くおしゃべりしていて我を忘れちゃった時、たとえば仕事中に同僚と話していて、気付いたら近くに上司が座っていた(!!)なんて場面を想像して下さい。
こんな時に「(あわてた感じで)戻ってきてますよ(กลับแล้วนะ – ค่ะ)- klàp lɛ́ɛw」
なんて風に使ったりします。
再度いいますが、文法的には正しい言い回しではありません。が、こういった場面のような時に使うコトがあります。
ちなみに「นะค่ะ」ってくっつけては使いません。
「戻ってきてます….よ(汗)」みたいな感じですかね?(笑)
わざわざ覚えることはないと思いますが、「こういう言い方もするんだ、へぇー」くらいでいいと思います。
タイ人も結構混乱している使い方らしいです。
「น่ะคะ」を使った用法は特に無いと思います。(たぶん)
以上が「นะ」に関するちょっとしたTipsでしたが、どうでしたでしょうか?
新しい発見はありましたか?
「そんなの知ってた!」
と言う方はムダな時間を取らせて申し訳ないッス!
そうでない方は「พยายามเข้านะครับ」(phayaayaam khâw ná khráp – がんばって理解してね♪)
おわり