タイ語には同じ単語を繰り返すことがよく出てきます。
今回は同じ単語を繰り返した場合、その単語の意味はどう変化するのかについて紹介したいと思います。
どーもあそーくです。
タイ語で繰り返す言葉のことを
「คำซ้ำ – khamsám カムサム」
といいます。この用法は様々とありますが、今回は特に繰り返すことによって意味が変わってくる単語に注目して解説します。
それではどーぞ
Contents
「คำซ้ำ」カムサムの様々な用法
タイ語の中で単語を繰り返すパターンは基本的には4つあります。
複数になったり、動作の継続や、意味が強くなったり弱くなったりです。
詳しくは「タイ語の基礎」の54ページを見て下さい。
こちらもどうぞ

ここでは基本的な4用法の説明についてはテキストに譲って、「タイ語の基礎」に載ってない特別な用法について詳しく説明したいと思います。
単語を重ねることで新しい意味になる場合
このケースは数としては多くはないのですが、基本的な4用法では意味がわからない場合が出てきたときは、この「意味が変わる」パターンを検討する必要があります。
ここでは一つ一つの単語について解説していきます。
จู่ [cù]
- จู่:突進する、直進する、躊躇する、突然行動する
使用例
ภรรยาจู่เข้ามาถึงตัวขณะที่เขาสอนภาษาญี่ปุ่ให้เมียน้อยที่ร้านกาแฟ
(奥さんは彼が喫茶店で愛人に日本語を教えているところに突然入り込んできた!)
などのように使います。急な動きのある行動を指して使う単語です。
これがカムサムになると
- จู่ๆ:不意に、予期せず、前触れもなく
といった意味に変わります。
具体的には
เรากำลังทำการบ้านจู่ๆ เขาก็ขอฉันแต่งงาน
(私たち宿題してたの、彼ったら唐突にプロポーズしてきたのー♥)
みたいな感じですww
เฉย [chə̌əi]
- เฉย:興味がない じっとしている、黙っている
使用例
ภรรยาเห็นผมเข้ามาเขาก็มองเฉยไม่ว่าอะไร
(奥さんは僕が入ってくるのをなにも言わず興味なさそうに見ている。) 怖っ!
のように使います。
カムサムの「เฉยๆ – chə̌i-chə̌əi」はよく聞いたり、使ったりするんじゃないでしょうか? 文脈によって意味もいろいろなので、例を二つほど挙げときます。
具体例1
ผู้ชายคนนี้หวงเมียมาก ผมแค่มองเฉยๆ เขาก็ทำตาเขียวเลย
(この男は[自分の]奥さんのことすごい心配してるんだ。僕はただ[奥さんのことを]見ているだけなのに怒ってるんだよ!)
具体例2
ฉันสร้างบ้านไว้เฉยๆ อีกหลังหนึ่งเผื่อภรรยามาพัก
(取り敢えずもう一軒家を建てておいたわヨ。奥さんが来たとき泊まれるようにね♪)
どういうシチュエーションでしょうかww
この他にも「まぁまぁ」とか、「そこそこ」なんて時にも使います。
ไป [pai]
- ไป:行く
ですが、この基本単語もカムサムになると意味が変わります。
- ไปๆ :(時間、期間が)長い
です。
具体的には
เขาตื่นเต้นที่ได้มีแฟนใหม่อีกแล้ว แต่ไปๆ ก็จะเบื่อไปอีก
(彼はまた新しい彼女が出来てワクワクしているの。でもしばらくしたら飽きちゃうでしょ!)
なんて感じです。
ไปมา [pai-maa]
- ไปมา:行って帰ってくる
使用例
ภรรยาเป็นคนรวยเดินทางไปมาทุกเดือน
(奥さんはお金持ちで毎月旅行に行って来るよ)
この「ไปมา」は【คำคู่ – kham-khûu カムクー】ですが、カムクーの場合でもカムサムになります。
- ไปๆมาๆ :結局、なんやかんやで
という風に意味が変わってきます。
使い方としては
เขาพิจารณาว่าจะไปโรงเรียนภาษาไทยดีหรือเรียนตัวเองดี ไปๆมาๆ เลยเรียนภาษาอังกฤษ
(タイ語学校に行くのがいいか独学がいいか検討したのに、結局英語を勉強する。)
といった使い方です。
ลม [lom]
- ลม:風、空気、おなら
ですが、これはカムサムになると品詞も変わります。
- ลมๆ:根拠のない、無意味な、空虚な、気まぐれな
使用例は
ทำไมเธอขยันเรียนภาษาไทยขนาดนี้ มันจะเป็นลมๆ
(なんでそんなにタイ語を真面目に勉強するの? やっても意味ないのに)
という具合に使いますwww
ลวก [lûak]
- ลวก:茹でる、火傷する
というのが、元の単語の意味ですが、
- ลวกๆ:軽率に、粗雑に、いい加減に、軽率な
という意味に変化します。具体的には
ผู้ชายคนนี้นอนตื่นสาย เลยแต่งหน้าลวกๆ ออกไปทำงาน
(この男は寝坊したので化粧をいい加減にして仕事に行った。)
といった感じで使います。
ส่ง [sòŋ]
- ส่ง:送る
これまた基本単語ですが、カムサムになると意味が変わります。
- ส่งๆ:軽率に、粗雑に、いい加減に、軽率な
となります。先にやった「ลวกๆ」と全く同じ意味で、使用方法も同じですので、具体例は省略します。
อยู่ [yùu]
- อยู่:いる、ある
この基本単語もカムサムになると
- อยู่ๆ:突然 急に
というように意味が変わります。
具体的な使用例として
ฉันกำลังเรียนคณิตศาสตร์อยู่ๆ ก็ปวดหัวจี๊ดขึ้นมา
(私、数学を勉強していたら急に刺すように頭痛くなってきたの。)
といった所です。
声調が変化することで更に強調するパターン
通常はカムサムの場合、意味が強まったり、弱まったりする基本的なパターンがありますが、この場合、声調の変化はありません。
ただ、声調の変化を伴う場合は強調の度合いが更に強まっていきます。
例えば
「ซีด – sîit」(色が褪せた、血色の悪い=具合が悪い)という単語があります。
หน้าคุณซีดเป็นอะไรหรือเปล่า
(あなた具合悪そうよ、大丈夫?)
という風に使う単語ですが、通常のカムサムでは
หน้าคุณซีดๆ เป็นอะไรหรือเปล่า
(あなたかなり具合悪そうよ、大丈夫?)
となり、具合の悪さの程度が上がっています。
この「ซีดๆ」を「ซี้ดซีด」に声調変化させることにより、強調の度合いが更に上がります。
具体例の状況だと
หน้าคุณซี้ดซีดเป็นอะไรหรือเปล่า
(あなたとっても具合悪そうよ、大丈夫?)
となり、「かなり」な程度から「とっても」な程度にランクアップします。
「สวย」なんかで使うと効果的です(笑)
こんな感じですが、カムサムは主に口語で使われ、書き言葉では余り好んでは使われません。
まとめ
今回紹介した「意味の変化する」カムサムは数が少ないので覚えてしまってもいいと思います。
強調の程度の変化もまー知っておいて損はないのかな? 程度ですかね。基本的な文章の意味は変わらないですから…
今回の内容は初級レベルではちょっと大変な内容だったかと思います。独学の人は取り合えす「タイ語の基礎」を終了させましょう。
おわり