【タイ語のことわざ】そういう運命だったと諦めるしかないのがカルマ!

運が悪い時はどう対処してもうまくいかないことってありますよね?

そんな不運な状況を表しているのが今回紹介するタイ語のことわざです。

このことわざでは不運な状況というのを表現するのに極めてタイらしい表現方法を使っています。

日本では「当てにならない」といった意味で「当たるも八卦当たらぬも八卦」なんて易経の表現を使っています。

一方タイでは占星術です。

日本人の易経に対するイメージには不信感が漂っていますが、タイではどうでしょうか?

まー、そんな感じのことわざです。

ではどうぞ

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พระศุกร์เข้าพระเสาร์แทรก

金星が入り土星が割り込む

発音:phrá  sùk khâw phrá sǎw sɛ̂ɛk 

単語
  • พระศุกร์:(神、占星術上の)金星
  • เข้า:入る、到着する
  • พระเสาร์:(神、占星術上の)土星
  • แทรก:割り込む、あいだに入る

「พระ」は神聖なものに付く接頭語です。

天文学上の惑星としては、頭に「ดาว(daaw)」を付けます。

「ดาวอังคาร(daaw aŋkhaan 火星)」とか「ดาวพุธ(daaw phút 水星)」とかです。

昔の人は、人生で良くないことが起こるとこんな風に言いました。

このことわざの意味は、不幸や困難、あるいは不運な出来事が一度に複数降り掛かってくるということです。

このことわざは占星術からきています。

タイの占星術はインド由来のものです。

このことわざの意味と占星術上の解釈は必ずしも一致しているとは言い難いのです。

具体的にどういった状況で金星がどこに入り、土星がどこに割り込んでいるのかはわかりません。

金星は現在では良い意味を持った星ですし、土星は今でもあまり良い意味を持った星ではありませんが、割り込む位置によって厳密には意味がかわってきます。

というわけなので、昔の人だからといって、占星術のような専門知識を必要とするようなことを端的に表現できる術もなく、なんとなくゴロがいいからとか、そういった理由でこのことわざができました。

と云うのも「พระศุกร์เข้า พระเสาร์แทรก จันทร์ กระแทก อาทิตย์ กระทืบ」といった言い方もあります。

この後半に付け加えた「จันทร์ กระแทก อาทิตย์ กระทืบ(can krathɛ̂ɛk aathít krathɯ̂ɯp)」は「月が強くぶつかり、太陽が踏みつける」といった意味なのです。

占星術で月がぶつかったり、太陽が踏みつけたりすることは表現上でおかしいので、単に調子を合わせるためだけのものということが分かります。

単語
  • จันทร์:月
  • กระแทก:強くぶつかる
  • อาทิตย์:太陽
  • กระทืบ:踏む、踏みつける

ま、なんか運が悪いのを表現するのに、星の動き的なのを付ければそれっぽくなるかな? 的な感じで出来たことわざです。

日本にもありますよね? この手の言葉って。

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どんな時につかう?

何事もなく順調に進んでいたのに、思いもよらぬことに出くわして状況が一変した場合、例えば突然倒産した場合などに使ったりします。

このように良くない出来事が起こったことを指して使います。

同時期にさまざまな不運なこと(เคราะห์กรรม khrɔ́kam カルマ)が立て続けに起こる時にも使ったりします。

具体的使用例

ソムチャイ君の会社の後輩にソンブーン君がいます。

彼はソムチャイ君と同郷で、ソムチャイ君は弟のように可愛いがっています。

そんなソンブーン君ですが、最近仕事と彼女のことで少し悩み事があります。

ソムチャイ君に相談しようとしたのですが、あいにくソムチャイ君は忙しく、ソムチャイ君の上司のナワポーンさんにお願いすることにします。

ナワポーンさんは今まで結婚もせずに仕事一筋に生きてきたような人で、会社のことなら社長より詳しいくらいの人です。

ソンブーン君は本当は仕事のことより結婚を考えている彼女と最近上手くいっていないことを相談したかったのです。

そうは言っても慕ってるソムチャイ君の申し出なので、とりあえず仕事のことだけでも…とナワポーンさんと会うことにしました。

さて、コーヒーショップで待ち合わせた二人ですが、ソンブーン君はナワポーンさんは初対面です。

直接ではありませんが、一応上司に相当する人です。しかも年齢も親子ほど離れている上に、見た目もキリッとしていて厳しそうな人です。

ソムチャイ君は知りませんが、ナワポーンさんは会社で一番怖い人という噂もあります。いわゆるお局様的存在です。

軽く挨拶をすませ、対面する二人ですが、ソンブーン君は緊張して何も話せません。

(これでは話にならない)

と思ったナワポーンさんは少しお酒が飲める場所に移ることを提案します。

実はソンブーン君はお酒が全く飲めないのですが、彼に断れるはずもありません。

緊張していたからでしょうか? ソンブーン君、自分が思っている以上にお酒を飲んでしまいます。

そのうち緊張なのかお酒のせいなのかわかりませんが、心臓もバクバクしてきて、もう何を相談しに来たのやら自分でもわけがわからなくなってしまいました。

翌日、いつもは寝起きの悪いソンブーン君ですが、激しい頭痛で目を覚まします。

昨日は飲みすぎて体が熱くなり、素っ裸で寝てしまったようです。見慣れた自分の部屋には脱いだ服が散乱しています。と思ったのも束の間でした…

!!!…ナワポーン?

隣にはなぜか彼女が裸で寝ています。

(えーと、お酒を飲んで、仕事の相談は…した?)

とその後の記憶が全くありません。

取り敢えず急いで服を着て、ナワポーンさんを起こします。

「あ、おはよう…」

とナワポーンさんは目を覚ましますが、昨日の厳格そうな顔はそこにはありません。

とろ~んとした目でソンブーン君を見つめています。

軽く悪寒の走ったソンブーン君ですが、簡単に挨拶をすませてそそくさと部屋を出ていきます。

頭が混乱した状態で仕事をしているものですから、今日は失敗ばかりで最低な一日でした。

途中ソムチャイ君が

「昨日はどうだった?」

と聞きに来るものですから

「え、まぁ」

とテキトーに返事をしていますが、そんな生返事をしているソンブーン君は裸のナワポーンさんの姿が頭に浮かんできてしまいます。

やっとの思いで仕事を終えヘトヘトのソンブーン君です。ふとスマホを見るとメッセージが…

「ごめん、もう無理だから…」

ソンブーン君の彼女からでした。それをぼーっと見ているとソムチャイ君が

「今日ナワポーンさん珍しく会社休んだけど、なんか有った?」

と帰り際にさらっと爆弾を落としてきます。

!!

と思い急いで帰宅するソンブーン君です。

帰宅するなり

「おかえり」

とそこには笑顔のナワポーンさんがまだいます。

「なんか、変な女来たけど追い返しておいたから♥」

その場でへなへなと座り込みながら

金星が入り土星が割り込むとはこのことだ…」

とつぶやいたのはナワポーンさんの耳には届いていないようでした。

一年後、ソムチャイ君のもとに、ソンブーン君の横に生まれたばかりの子供と笑顔のナワポーンさんの写った写真が送られてくるのはまた後日の話です。

おわり

【タイ語のことわざ】索引

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